2010年6月19日土曜日

狂気という隣人

狂気という隣人読了
精神科医の現場報告

岩波明氏というのは都立松沢病院という精神科の病院の勤務を経ている。
おもにこの病院で行われている治療方法や、急性精神病の本当に重いバージョンを受け持ってきた
ひとの話だ。
都立松沢病院。おもに統合失調症(精神分裂病)患者に対する精神科単科病院。

みえざる精神科医の戦いを記してくれている。
そこには、ほんもののサイコキラーがいて、そして、どうやっても止められなかったうつでの自殺の衝撃

ほかの病気と違って姿がきちんととらえることができないことから
医師間同士でも、正確な判定がくだせない分野。
そして、精神不安定な患者はどこにも引き取られることなく、病院に押し込まれる現状。

司法が精神鑑定を行った場合、そこで病状が発見されたら、その時点で無罪放免になってしまう不備
それを引き受けるのが、精神病院。それも私立では手間がかかるから公立に押しつけられる。

一精神科医が、殺人者が本当に精神を病んでいたか、それの分析をしろと。
病んでいたら、その殺人はなかったことになり、病院で治療するわけだ。

その判断の重みは本当は医師ひとりに任せてるのはおかしい。どうにかしてくれと言っている。

悲痛な叫び声だ。

この本は明るい未来なんか示してくれていない。

本当のレポートだった。

最後に、日本には、希望というものがみえなくなったのかもしれない。
そうまとめていた。それは、最新作ビジネスマンの精神科にも書かれていた。

希望か。とても難しい課題に挑んできた人だったんだな。
心から尊敬でき、そして、この著者の本をどんどんと読み進めることに決めた
本を読んで、成功か失敗かは、その続きの本を読みたくなるかどうかだと聞いた。
そういった意味で当たりを引いた。

今年にはいって読み進めたいと感じたひとは宇都宮徹壱、小田嶋隆、に続いて岩波明だ。
小田嶋本に限っては、基本的に読み終えた。 宇都宮本もあと弐冊 岩波明はまだまだ読める
良い本に巡り合えるとこういう嬉しさがある。

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