2010年9月22日水曜日

うつになったときの日垣隆の対処法

折れそうな心の鍛え方 (幻冬舎新書)

日垣隆さんの本。こころの鍛え方の本
うつ病ではなく、うつ状態になったとき、どうやって処理をしていったかを事詳しく描いてくれている。

取り合えず、ガス抜きをする。ストレス耐性コップを満杯にする前に
話を聞いてもらう。何が不安なのか考えて、それをカバーできる現実問題を考える。
自分にとってはお金だなあ。

うつの原因は何かを失った喪失感。
それを癒すのは時間がかかるから、ひとつひとつ撃破していく。やれることをやっていくこと
3ヶ月と期限を決めて、立ち直ろう
ひとに頑張れと言わせず、自分では頑張る
はじめの一歩をするハードルを下げる工夫をする。

基本的に工夫を推奨している。うつは喪失感から来る。そして、どうやっても避けられないもの。
それをどうやったら、良くなっていくか試してみる。それの繰り返しをしていくうちにだんだんと
治っていく。どんな工夫するってことにこの本の魅力があった。

最後の章映画特集は秀逸でした。知らない映画がたくさんあって楽しみになります。
観たいと思った映画
シンデレラマン
セント・オブ・ウーマン
ショーシャンクの空に
RUDY

Build the Future

Build the Future 西澤丞さんの写真集

良かった写真集。
ただし、理系の素養がなかったのでこれの凄さが本気では理解できなかった。
未来をつくる50年、100年の先を考えて作られた核融合施設、プラズマセンターetc

配管については、その辺で売っているものかもしれないと思った。
それをつなぎ合わせることで、素晴らしい研究を実施できる環境を生み出すことができる。
特別の機械は使っているところもあるが、見た感じ、普通の配管設備も使っている。
それが素晴らしいなとも思った。
市井のひとが憧れる未来を創りだして、現実化しようと途方も無い努力をしていることに感激
そして、たぶん研究者が生きていない100年後の人類に向けて科学成果を産み出そうと努力している。

想像の世界を現実につくっていく研究者たち。
その姿はとても魅力的で、地に足が付いている感覚は、想像力には出せない力強さがある。

この写真集はきちんと現役の研究所だから、本物として受け入れられるのだろうな。

空想では、ここまでの感覚は与えられなかった。そして、いつでも現実は地道に進んでいっている
という当然のことを思い出させてくれた写真集でもあった。

2010年9月17日金曜日

藤巻流人脈の教科書を読み、自分の失敗例を思い出した。

人脈の教科書~図解フジマキ流シビれる人生をつくる~

読了

藤巻幸夫という方にはお会いしたことはない。
ただ名前だけを聞いていた。某氏から紹介してあげるよと言われてはや2年
忘れられているのだろう。

人脈というのは、こうやってできるものだ。を身を持って体感させてくれた人だった。
紹介してやるよ、と言われたとき
すぐにアポイントを決めて行動に移さなかった。

また、その後自分の行動があまり紹介者に好かれなかったのだろう。
紹介するレベルまで達していないと言われてしまったことを覚えている。
紹介してもらうには、紹介者の顔を潰すことはできないし、紹介されたほうに何らかの
プラスになることが必要なのだ。

本では実際に会って話しをする。腰を軽くして動いてみる、とても陽性な行動指針が説かれている
もちろんお金はすごくかかるが、リターンも大きいですというただしがきがあるが。

若いうちは自分を売り込め。その為に情報感度を高くして日々を暮らすことが大事。

この本で自分が参考になったのは社内人脈の構築の仕方
自分はここでつまずいた。期限があと8時間しかなく徹夜業務になったとき
うまく同僚を巻き込むことができなかったのだ。「ごめん。こっちも抱えているんだ。」
なくなく、上司に助けてもらったが、その時自分の社内人脈の弱さを実感した。
とくに社内人脈という点では参考になる本

基本的な人脈の教科書で、分かりやすく取っ掛かりにはなり易い。
絵も画面構成もとてもセンスに溢れている。

そして、身を持って人脈の繋ぎ方失敗例を教えてくださった方なのでそういった意味で
とても感慨深い本だった。

2010年9月11日土曜日

渋滞学は科学の魅力を満載に振りまいてくれる

渋滞学 を読み終えた。


今更感はあるかもしれない。 
2006年発売の渋滞学 西成活祐 

物理学者で、渋滞学を始めたひと。 

おっそろいほどにわかりやすい 
なんで、渋滞がおこるの 
インターネットが繋がらないのはなぜ? 

それを説明するモデルはセルオートマトン法で説明する。 
ASEP Asymmetric Simple Exclusion Process 
p27の図形は感動した。
単純なモデルを作るのは経済学でも一緒。 
そこから複雑にしていき、広げていく手法も説明してくれる 
勉強をしてこなかったから定性的に一致していると定量的に一致しているの違いですら、感動した。そういった業界の言葉を教えてもらえるのはありがたい

基本的に一般人向けの本だから、混み行ったところにいかず、 
ここからは専門知識が必要だから結果を書くという風に 
読み手に超絶優しい 

tipsとしては、渋滞の時は、追い越し車線よりもより左側のほうが早く抜け出せるということか。これは人間心理の話なので、今現在はそうだけれどもという条件がつく。

物理学の限界地点 自分たちの使っている道具には解けない部分があることや、紙と鉛筆でとけるが、コンピュータが必ずミスをするパイこね変換の問題など、科学の魅力を振りまきまくっている。 

クルーグマンという経済学者が、よく専門分野は二つ持たないと意味がない。 
そんなことを15年前から言っていたな。 

そして、このひとは理学部と工学部の橋渡しみたいなことをしている。 

そしてなにより、数学の素晴らしさ、自分にはわからないことだらけだけど、やっぱり数学はかっこいい! 
趣味は数学です!ていってみたくなったじゃないか。 

平易で、度文系の自分でも理解できる科学の力。 

いい本だ!!めちゃくちゃ嬉しい!

    岡康道×小田嶋隆の不適応と負けの物語

    ガラパゴスでいいじゃない 岡康道×小田嶋隆


    二人の人間の弱っちいところからこの本は出発している。
    アメリカでのヴィダルサスーンでの失敗や、岡が自分の事をナンパもできない女々しい人間と定義していること自体に驚いた。
    めちゃめちゃカッコ悪い二人が対談している。
    才能の定義は、ポーカーの手と一緒。あると見せかけるものという小田嶋隆のひねくれ度合いは
    大好きだ。
    岡康道の才能と好きは別で好きなものはそれは趣味です。才能は余人をもって代えがたきもの

    自分に置き換えてみれば、人と接する際の笑顔は才能だが、それが好きかといえば別に好きでもないもんな。

    女々しい人間はさ、やっぱり女々しいから、色々と工作するんだと思います。その工作がさ、
    面白いかどうか、が作品の出来不出来に繋がるのか。女々しさをホメる文章に出会うとやっぱり
    うれしくなる。

    岡康道はなんでもおもしろがるし、人生をゲームだと捉えているんだ。
    遊び場なんだろうなあ。だから、負けて悔しがったり、勝って喜んだり、手の込んだことをしたりしているんだなあ

    不適応の人々が、きちんと世の中で食べていけたんだ。内田樹も、小田嶋隆も、岡康道も
    どう負けるか。どう撤退戦を戦えるか、いまの主流はこんな感じ。
    イケイケの世界は日本にはないんだな。もしくは、不適応の部分はみんな本当にうまく隠している。
    自分はそれをこじらせちゃってニートになっちゃったけれど、うまく不適応を適応させた人間たちも
    いて、彼らに嫉妬してしまって、適応しなかった自分の芯の強さという勘違いをおこし、
    変な優越感にひたって自分を慰めちゃう。

    この本はどうやって負けてきたか、それの歴史本だな。二人の同級生の。
    面白いことをしようとしたら負けることが多いよ。でも面白いよ。そして、きついよ。

    最近というか人生に負けてきた自分にとって応援になった本だったです

    二人の対談集第三弾希望したい