2015年11月5日木曜日

池上彰の東工大講義世界編 感想




東京工業大学で行われたレベラルアーツの講義を収録した本

基礎的な時事問題に対して池上さんの考える原因と今までの事情や歴史的経緯を教えてくれる。時事問題を綺麗に整理して提示してくれる池上さん定番の本のスタイル

個人の政治的な姿勢をあまり出さないで解説や出来事を教えてくれるのが、NHK子供ニュースを思い出してしっくりと収まりがいい。


政治・憲法・通貨・経済・宗教・アラブの春・テレビ・アメリカ・中国・北朝鮮
トピックごとの代表的な例をあげて15回の講義に一つのテーマで講義・解説してくれる。

最後の技術流出の章だけは、討論編。サムスンへ移籍した日本の技術者の生き方はどう思うか、唯一答えがない意見の相違と議論をしていく。他の章は全て講義で池上彰の知識の断片を教えてもらうところだが、最後の章だけは議論を教室内でしているのでライブ感があって面白い。読者には議論の進め方を見て欲しいという仕立てになっていた。


日本の戦後原発・原子力との向き合い方
GHQの憲法草案 憲法9条の「芦田修正」ということや
1944年のドルとの固定相場制をブレトンウッズ体制といったのは知らなかった。

テレビのCMの入れ方など、知っても何の役にも立たない雑学も教えてくれる。
無駄知識だが毎日見ているテレビの現場話なので純粋に面白い。

中国の章では自分の若い頃は中国は今ほど大国ではなかったのであまり歴史を知らなかったが、中国の戦後史を勉強しないと!という気持ちにはなる。

年を重ねるごとに知識も抜けて、更新されなくなっていくもんだ。更新できるところをしていくとちょっとは面白くなり、自分も古くならないで済むのかもな。
この本を読んで感じる一番の感情。


2015年5月8日金曜日

吉川英治の講談集 夫人編 日本名婦人伝 青空文庫から

http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/card56069.html


日本名婦人伝 太閤婦夫人(秀吉の北政所)
日本名婦人伝 谷干城夫人(西南戦争時の熊本城鎮台 谷干城(たてき)夫人
日本名婦人伝 静御前(源義経の妻)
日本名婦人伝 大楠公夫人(楠木正成の妻)
日本名婦人伝 細川ガラシャ夫人(細川忠興の妻)
日本名婦人伝 小野寺十内の妻 (忠臣蔵)
この6つが公開されていた。
50年の著作権保護期間のおかげで、こうやって本が読めるのは感謝しかない。

すべてが歴史の転換期の人間たちの話。

大河ドラマもこういう歴史に名を残した人たちを主人公にしてほしいと思うんだが。

寧々(北政所)は秀吉との新婚生活から、良人の出世で、それに見合った教養を身につける努力をする寧々。そして良人の作り上げた豊臣家が滅亡するまでの大まかな流れと無常感

谷干城夫人は、西南戦争時の要だった熊本城に籠城した将軍の妻が、どんどんと薩軍の攻撃で干上がっていく中、兵士たちを鼓舞し、軍人の妻としての生き様と心模様を描いた小作品

静御前は、良人義経を追い払った頼朝の前で、静御前自身の戦として白拍子を舞う話。

楠木正成が戦死したあと、楠木党の指導者として、良人の死んでまで貫いた護国の為、息子たちを戦地に赴かせなければならない母と党首としての心情を書いた作品

細川ガラシャ夫人は、反逆者明智光秀の娘として本能寺の変以後の人生と、最後の石田三成の拉致に抵抗して、屋敷に火を放つ名場面を描く

小野寺十内は、江戸期の武士の夫人として、どうふるまっていったかを描いた作品。

すべての人間が小作品であり、娯楽であり、ちょっとした自己啓発や自己の生き様を考えさせられる作品なので、理想化された登場人物たち。

読まなきゃダメな作品じゃ全然ないが、ほぼ唯一といっていいほど、戦前戦中戦後をまたいで人気作家であり続けた人物「吉川英治」の精神性が端的にあらわれている講談作品。


2015年4月24日金曜日

また骨折。足首



今年また骨折して気がついたこと。

怪我をして片手松葉杖で動いているとけっこう回りのひとは優しい。

満員電車は怖くて無理

人は、怪我人に対してはだいぶ優しいです。

歩けない身にしては実店舗で購入する行為は、とても贅沢な行為。

動けない時、ネット購入、アマゾン購入の有り難さを感じる。

人と会話しながら決める楽しさは、動けない人にとっては半端なく贅沢だなあと感じた・

実店舗の魅力は、こういう所なんだなあと思いました。

青空文庫 吉川英治 剣の四君子

http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/card56491.html

敵に勝つではなく、己に勝つ。
自分の限界まで修行して、人間の発しうる最高度の生命の火華を咲かせてきた四人の剣人の話

日本男児の生き様、道を極めることが命よりも大事であり、その為に生死をかけた剣士たちがとてもかっこ良く描かれている。

柳生石舟斎宗厳 
宮本武蔵を描いた吉川英治だからこそ、最高の柳生宗厳を描く。

 柳生宗厳の無刀の極意。
無刀 剣は持てど剣に頼まず剣に妄執せず、無刀の心をもって体とする。
こんな剣士として相反する理と技を超えた心のあり方に達した生き様だった。

 彼の一生と戦国末期の波乱時代を描いている。
 剣豪でありつつも、柳生の庄の領主でもある人間
剣豪として名を上げ、その人格も尊敬の念で語られ続けるも、
 領主としては何度も領土を失った人間として描かれる。
そんな彼が上泉伊勢守との仕合で領主としての立場を離れて勝負をする。

そして最後には、家康の元に柳生宗矩を推挙する。
そこに親の情と、戦国時代の領主としての成功を掛けてもいる。

そして柳生宗矩には、将軍家兵法指南として、
 剣は、経世の剣、治世の剣という考えに至る。

軍事力そのものが、平和をもたらすという考えととても近い。
ちょうど1943年、日本が戦時まっただ中にあった時、この本はどういう受け入れ方をしたのだろうか。

林原甚助
最上家の出身として、父の敵討のために剣技の道を極める。
柳生宗厳のように師というものに巡りあうことはなかったが、
自然全てが師であると神社で参籠と精進を行い神のまえで100日間抜刀を続ける。
ただ、百日参籠ではなんら奇跡的なことは起こらなかった。
が、寝食を忘れ、限界までの努力で身体に染み込ませた抜刀術は、
父の仇を打つことを達成することができた。

高橋泥舟
幕末の槍術の達人
兄弟で槍術を争っていたが、優しくもあり、強くもあった兄 高橋静山が死ぬ。
そのため、悲嘆にくれていたなか、夢の中で兄と仕合をする。
そこで、兄に触れ、兄と戦うことで奥義を取得したという話。
上ふたつよりもだいぶ現実感が薄くなる。
ただ、幕末の山岡鉄舟など出てくる登場人物が自分たちと陸続きの人間であるため
現実感もあり、なんだか不思議な話だった。

小野忠明 将軍秀忠 柳生宗矩につづいて次席の兵法指南。
師を見つけ、それに仕え続けることがどれだけ得難いことかがテーマの話
房州に来た伊藤一刀斎と出会い、その剣に魅了され、彼に勝ちたいと思い、勝負を挑むが、何度も負ける。
そして、自分の心構えが間違っていたと気が付きその弟子となる。
兄弟子の善鬼との対比で、彼は伊藤一刀斎の免許皆伝を欲し、
小野は伊藤一刀斎の精神に仕えた。
師となるものは、すべてにおいて人格者であるはずもなく、吝嗇家でありつつも
諸侯に招かれても、大金や黄金を目にもくれず、気難しく、小言も多くて辟易ともする。
完璧ではない師匠でもある。
ただ、それでも一生懸命にお仕えすることで、小野忠明は自身の人生を切り拓き、
兄弟子、善鬼との皆伝を争っての死合に勝利する。

その後、徳川家に仕えるが、
 その時に十数人に取り囲まれて殺されそうになった時、
大勢で取り囲まれながらも、8人を斬り殺して生還した時の話が出てくる。
この話を読んで、101経済のタイラー・コーエンのフェンシングの話を思い出した。

大人数の時は、フリーライダーの発生するという話。

http://econ101.jp/タイラー・コーエン-「日本のテレビ番組に見る『/

タイラー・コーエン 「日本のテレビ番組に見る『ただ乗り問題』 ~三銃士vs.50人の素人集団~」



2015年3月21日土曜日

ハマちゃんと、寅さんから学ぶ生き方レッスン本(石隈利紀先生)




寅さんとハマちゃんに学ぶ助け方・助けられ方の心理学―やわらかく生きるための6つのレッスン

石隈先生のお話を一度だけ聞かせてもらったことがあった。
なんと柔和な先生なのか。優しくて人柄に魅了される。石隈先生と話していると、表に出す感情はとてもフレンドリー、優しさに満ちている、かと言って清廉君子でもないので、イラッとしているところもあるけれど、その感情は訓練によって表に出さないようにしているようにも感じる。

この本で石隈先生のバックボーンを知ることが出来た。
片目の視力がほとんど無いこと(全く気が付かなかった)40歳まで仕事がなかなかうまく行かなかったこと。アメリカ留学で、自分のことを誰も知らない!という開放感の元、上手くキャリアを形成するきっかけを得たこと。やはり

旅と見知らぬ土地は人を自由にする!!

こんなに苦労されてきたのかという感嘆を覚える。筑波大学の副学長だったりするのは、そんな経験が積み重なっていたんだ。研究者かと思っていたらこの先生はカウンセラーの実践的な経験を多数積んでいた。それを研究成果として学校カウンセリングの理論にまとめた人だったんだ。

フーテンの寅さんと、釣りバカ日誌のハマちゃんを例に援助者のあり方、人のあり方を類型化した本。

寅さんは、百人いたら百通りの接し方をする。

ハマちゃんは、百人いたら一つの接し方をする。

寅さんは、悩んでいる人に共感し、自分の失敗談を話し、そしてその人が危機の時、一生懸命、自分の持っているものをなりふり構わず投入する。

寅さんは、とても心が優しいのだ。その優しさを劣等感から来ていると考えている。中学の時から他人に侮辱され、差別されながら、継母との折り合いの悪さで、テキ屋として旅人になった。

反対にハマちゃんは悩んでいる人がいたら、釣りに誘う。まずもってその人と遊ぶ。楽しむ。そして人生にはいろんな側面があること、悩みによって視野が狭くなっている状態を遊びや芸、エンタテイメントで広げて元気にしてくれる。

なにぶん、ハマちゃんはスーさんの会社のサラリーマンであり、営業マンという日常的な人でもある。


寅さんは、非日常状態の時に現れるヒーローであり、旅人として心の傷を持っている。
ハマちゃんは、日常にいる太陽のような人であり、遊びの名人で人を元気にしてくれる。

寅さんのほうがウェットで本格的にその人と共感し、向き合い、
ハマちゃんのほうが、人との距離感を適切にとり、心よりは行動で巻き込んでしまう。


そんなハマちゃん、寅さんの例を使いながら、この本で言いたいことが4章から始まる。
みんなが資源、みんなで支援ーチーム援助ー

ここからが援助者(カウンセラーを含め、会社なら同僚、上司、家族、人事、学校なら先生、家族、友達、等)は被援助者と1対1で向き合うことはしないで、チームとして向き合う方法を説明する。

ここからがこの本の本番。

援助チームの作り方は「話し合い上手」(話上手ではない!)

→苦手の人とも人間関係を良好に保てる
→チーム参加者が傷つかないように配慮できる
→自由に話しやすい雰囲気を作る
→自分とは違う考えの人の意見でもじっくりと聞ける
→反対意見の人に対しても上手に自分の意見を言える

この5つを前提としてチーム作りことを薦めている。
その為に寅さん、ハマちゃんの例を出していたのだと思う。
(ハマちゃんと寅さんでは、介入の仕方、援助の仕方は正反対の人間だ)
釣りバカ日誌、男はつらいよ の映画評論としても最高に面白いのが凄いが。

ただ、この本ではそのチームつくりの方法論までは書けなかったのだろう。
短い150Pにも満たなく行間も広すぎる本だ。

チーム援助の仕方を状況によってふたつのパターンを紹介していた。

寅さんの時のように、なりふり構わず、不器用でも一生懸命につぎ込み、持っているリソースを全てつぎ込み、そこにただいる人も、必要なら相手の事情よりも危機回避のために巻き込む。その一生懸命の後ろ姿、人の純粋さで回りの人が元気になり、それぞれの人生の岐路に立ち向かう。

ハマちゃんは、釣りを通じた友達のネットワークがあり、それぞれに役職は違えど皆にタメ口で対等な人間関係を築いていっている。そして誰とでも仲良くなれる。そのネットワークを使って、人に頼み事をして問題解決に挑み、行動に移す。

寅さんは、危機に実際に介入するのだが、
悩んでいるヒロインはその後ろ姿を見て元気になり、直接は働きかけない。

ハマちゃんは、悩みを持つ人に対して遊び(釣り)に誘って仲良くなり、
最初は直接は働きかけないのに、最後は行動することによって解決していく。

チームによって、状況によっていろんな風に変わっていくこと、その柔軟性を伝えてくれていた。

そして、副題にあるやわらかく生きるための6つのレッスンというのは、

1・人は苦戦している人を放っておけないから援助する
  人は苦しい人を見ていると、やっぱり自分も苦しくなってしまう。
  だからこそ人は人を助ける。だからボランティアは究極的には、利己主義なんだ。

2・だからこそ、困った時は援助をもらう
  自分だけで頑張るのではなく、人からの援助をもらうことも自分に許してあげる

3・人には個性があることを認識する
  その個性というのは、他人とくらべてこういうのが得意というのではなく、
  自分の中で得意なこと、不得意なこと、リラックスできること、信念など
  それぞれの強み弱みがあることを知っておくと、自分自身が楽になる

4・ネットワークで支え合う
  人は人の中で生きていける。それが支えでもあり、喜びでもある

5・人間関係に笑いを活かす
  寅さんは、自分の失敗談を話し、ハマちゃんは芸だったりダンスをして笑わす
  なぜ笑わすか。苦戦している人はどうしても自分を卑下してしまう。
  笑いには相手に対する自分の位置を一段さげる効果がある。  
  苦しんでいる人にはそれでちょうど対等になるのだ。

6・少しだけ助け上手・助けられ上手になる
  基本的には助けるというのは少ししかできなく、本人が自分のペースで
  少しずつ立ち直る。その際、一緒にいてくれる寅さん、エネルギーをくれるハマちゃん

そんな6つのヒントをこの本はくれた。

とても読みやすい。男はつらいよ、釣りバカ日誌、の評論としてもすごく面白い。
そして、人間関係のスクールカウンセラーの理論と実践家としての人間に対する洞察も読むことができる。

機会があったら石隈先生の講演会は行きたい。本で読むより実際に会って話を少しでもさせてもらえると、この人の柔らかさが半端無く伝わってくる。超絶忙しい人だが、なにかの機会で講演会をまた聞きに行きたい!!









2015年3月9日月曜日

おっぱいバレー 男子中学生達と、新米国語教師の青春映画



先生と生徒ものの、コメディとスポ根
中学生時代の懐かしさと、コメディとラスト30分のほろりとする面白かった良作。
頭をからっぽにして楽しめました。

舞台が昭和54年1979年 北九州市筑豊地区
その時の町の様子を再現。
どれくらいの再現具合かはわからないけれど、
確かに子供の時あんな自転車乗った!車もあんな感じだった。
本屋もそうだったな。。
エロ本の隠し場所や、秘密の集合場所、子供だからこそ、町のあちこちを知っていた。



主演女優の綾瀬はるかは、コメディだと気楽に見れて面白い!!
この綾瀬はるかは、すごい可愛い!

そのふわふわっとした感じにちょっと鼻にかかった声と、そのでっかい目と、おっぱいの大きさで目を離せなくなる。

綾瀬はるかが演じた寺嶋先生は、他の学校から転任してきた先生。
だいぶ世間的な立ち回りが下手くそだけれど
気持ちはすごく純粋なものを持っている明るい女性。


やる気の全くないガキの集まりのバレー部に対して、地区予選で1勝したらおっぱいを見せてあげるという約束をうまいことさせられてしまったという話。

自分も綾瀬はるかのおっぱいは観れるか、当然背中越しだろうが、見れるシーンはあるのか、というドキドキしながら見ていた。

色々とすったもんだの末、教師としてのあるべき姿を見つけ、
人が全力で努力する姿の大事さを訴える。中学生にとっても、大人にとっても。

男子中学生のエロさという馬鹿さに、一生懸命の汗をまぶした青春映画

八重の桜のような真面目な作品よりも、こういう感じの作品にたくさん出てほしいです。


2015年2月12日木曜日

なれるSE12 立華の物語 (伏線回収巻)





SEを舞台とした物語と見たら、あまり大事な伏線ではなかった、立華の生い立ちの話。

立華、工兵、その他 登場人物のキャラクターを主体としたら大事な伏線。今回はキャラクターの巻。

話が立華の個人的な内向きな話になるので、

なれるSEシリーズの魅力である

技術の難局に大逆転を食らわせる立華無双や工兵の機転という部分では物足りない。


大企業は貴族階級というこの世の不条理さにぶつかりながらも、SEの辛さと楽しさを伝えつつ、

それを非現実的なスーパーヒーロー(機転と度胸)ヒロイン(技術)の活躍で解決していくという感じがなかった。

内的な動機に関する小説だった。なので自分の好みからは微妙な巻だった。

ただ、カモメさんと一緒にバイクに跨って首都高でお台場に行き、気持ちが晴れた瞬間の気持ちよさ。

このもやもやが晴れたときのすっきり感があり、さあ、激動の13巻、7巻のような地獄をまた再び読ませてほしい


ここまで読んだのだから終わりまで読み続けよう。

2015年2月7日土曜日

流星の絆 東野圭吾 両親を殺された3兄妹の絆の物語(人と人が繋がり続けたこ との愛おしさを感じる)

流星の絆




東野圭吾

最初の導入部分の悲劇さ

特にハヤシライスが有名な洋食屋の子どもたち小学生の功一、泰輔、幼稚園の静奈

の両親が殺された。三兄妹が星空の流星を眺めにいっていて夜2時まで家を抜けだしていた時に。

この三人の青年後のお話。

青年になり、児童福祉施設を出て、詐欺師となったこの三人が、結構魅力的なのだ。

殺人事件の遺族であり、そして詐欺集団の加害者でもある。

100ページ過ぎたときに出てくる登場人物、洋食屋の御曹司 戸神の出現で

洋食屋、ハヤシライス という どう考えても犯人だろうという人間がでてきてしまう。

最悪のエンディングを想像するしかなくなり、読むのを止めてしまった。

この三人の子どもたちは、主人公として、被害者として読者の心に親近感をわかせるし、

東野圭吾の本は犯罪者が繰り出すトラップがとても魅力的に描かれるので

加害者側としての騙しのテクニックの魅力も一緒に感じてしまうふたつの魅力を持っている。

だから、この3人のラストが怖かった。

が、オチについては結構淡々と進み、

動機部分もすごくやるせないどうしようもない感覚が薄いという、不思議な感じ。

聖女の救済や、容疑者Xの献身ほどの苦しさは、ないのがちょっと残念。


今更ながら東野圭吾はじめて読む
http://yasu0312.blogspot.jp/2015/01/blog-post_41.html


でも、魅力的な三兄妹だった。そしてタイトル通りの絆のお話

2015年1月24日土曜日

mustしなければならない。したら必ずなる系の 自己啓発本を否定した 現実的な昔からの知恵が大事だと言っている本



最強知的お助け本




この本は従来のポジティブすぎる自己啓発本を否定している。



科学的な心理学を引用して単純にもっと穏やかな生きやすさを語った本

単純に一言  must しなさい must not してはいけない  
という風に強いタイトルは人の注目は集めるが、

人がいきているってことは人生や置かれている環境は違いすぎて
単純化して人生、人間を語れるものではない。

同じ人間でも時間や状況、天気によっても刻々と変化するので

人間とは心も完璧のものでもなく、行動も完璧ではない存在。

そんな人間を一つの原則で縛ることは辛くなるし、逆に有害だ。

こんな風に自己啓発本をぶった切っていく。


だが、自己啓発本の唯一と言っていい利点は、人生をよくしよう、変化をして良い人生を歩もうとする決意を生むところ。


その方法論があまりに間違っている。


例えば、たった一言、積極思考、ポジティブ思考すれば願いは叶う、

各人の現実はあなたの思考によって決まる。という一文がある。

人によってうまくいくのかもしれないし、うまくいかないかもしれない。

うまくいかないとき、著者は信心が足りない信者にたいしてのごとく

それはあなたの努力不足に起因する。もっとポジティブ思考になりなさいと説く。

これってずるいじゃん。自己啓発本の著者は、

自分の意見の正しさ間違いに向き合ってないじゃん。


基本的には、最初の数ページ読んで意見は出尽くしている。

それ以降はこの人の読んだ科学者の知見を援用しながら自説を展開していくのが続く。

人生、いろいろ考え方や意見があるから、一つのみの考えに拘泥しないで。




面白かった箇所は

他人に何かお願いするとき、

「無理目でも言ってみる文化」と、「相手の合意を探ってみる文化」の二つがある。

日本は相手の合意を探る文化で、英米人が日本人と話すとその煮え切らなさにイライラする。

ただその英米人も、ロシア人のなんでも「無理目でも言ってみる」という文化には厚かましいと辟易するという。

その辺の英米と他国の文化差の話は面白かった。

また

エドガーアランポーの天邪鬼を引用して

衝動的なままに行動したらそこに破滅が待っている。しかしその事実があるからこそ、その行動がすごく魅力的になる。


車の運転をしていて、いきなり対向車線にハンドルを切ったらと思うことはだれでもあるだろう。

それを魅力的に思うのは、魅力があるからこそ危険だから避けるようになるという話になる。


こういうネタはおもしろい。
















2015年1月22日木曜日

アイドル漫画の名著 アイドルとして成功を目指す話の逆 アイドルとして成功した少女たちの心情を描く


tokyo girl's style 東京女子流

新曲 Say long goodbye 



という映画も作られた。



2010年1月1日結成。エイベックスから誕生した、小西彩乃・山邊未夢・新井ひとみ・中江友梨・庄司芽生からなる5人組ガールズ・ダンス&ボーカルグループ。

アイドルであった。2015年1月5日にアイドル活動を停止し、
アーティスト宣言をする。



昔は、アイドルとして、ももクロと対バンしていた。3年前くらいだったかな。



女子流の勝ちだったが、話題をさらったのは、ももクロだったな。

東京女子流をモデルにした漫画 5つ数えれば君の夢


five stars という高校生のアイドルグループで成功している5人の少女のお話

アヤノ。ミユ。メイ。ユリ、ヒトミ。

彼女らは夢を叶えた人間たち。かれらの夢と現実の狭間を描く素晴らしい漫画

アイドルという存在は、ローティーンかそれ以前から訓練し、そして容姿や能力で容赦なく選別されていき、生き残ってもさらに他のアイドルと競争がありながら、
残酷にもアイドル活動としてのお終いは20代の前半には終わるという儚い存在。

そんななか漫画の彼女らは夢を叶えたことができた。
そして、夢のステージが彼女らにとって現実になり、
そして学校や普通の恋やペットを飼うこと、進学すること、
それ自体が夢になってしまった。


アイドルとして活動するために、恋をするのもままならず、友達との隔絶もある。
それでも、少女たちは、アイドルとしての偶像を作り続けることに青春を掛ける。
このファンを含めたみんなで共有している夢を完璧であり続けるために決意する。
夢を生き続けるにはどうするか、その意地と決意を示してくれる。
考え続けてそれにむかってそれぞれの方法に従って
自分に言い聞かせながら笑顔でステージに立ち、
ファンのみんなに夢と華やかさと希望をあたえてくれる。

その決意の重さが、人々の心に焼きつく。そして偶拝される。とくに同世代の人間には。

この漫画はその成功したアイドルの心について
一人一人の心情を淡いタッチの絵で十二分に表現する。


ただ、漫画より現実はもっと早い。
漫画は一箇所の時間を切り取り、ずっと残る。
でも、実際の東京女子流は、もう2015年1月5日に私たちはアイドルを卒業する。
自分たちはダンスユニットとボーカルのアーティストだと宣言した。

アイドルとしての夢を終わらせた。そしてずっと残るための歌手としての道を選んだ。



山岡荘八原作 横山光輝漫画版 徳川家康  悪魔のように魅力的な豊臣秀吉!!秀吉のファンになる作品




山岡荘八×横山光輝 という黄金コンビの漫画

横山光輝の超大河漫画。長いし、漫画の絵柄はいつもの変わらず横山光輝。三国志の戦国時代版と言っていい作品。 文庫本サイズ600ページ暑さ4cmが8冊
この長さで、途中はダレる。仕方ない。

徳川家康を中心に回っているので、側近がなんの前触れもなく変わっていくので、読むときは事前に知ってなくちゃならない。この分厚い本を読む人はそんな基礎情報は知っていて当然だが。

松平広忠(家康の父)の時から、家康が死ぬまでが物語。

この漫画いいところは、
徳川家臣団の忠義心と強力なライバルたちとの戦い。


人質時代で三河を今川義元にかすめ取られたときの家臣団の
屈辱的でありながら耐え忍ぶ三河武士家臣団の忠義
耐える人間、忠義に殉じる人間を描かせたら横山光輝は最高の漫画家だと思う。

この漫画の白眉は5巻、6巻 

信長が死んでから豊臣秀吉と徳川家康の政治的な駆け引きのやりとりは痺れた。
どちらも将棋のように相手の意図を読みつつ戦争したり、同盟を結んだりと手を打っていく様、
家康の重臣だった石川数正、それの意図を組む本多作左衛門など、家臣団が活躍する。

徳川家臣団の忠義心と家康の侠気で対抗する家康に対して、

人とは思えないほど人間の心理機微をついて政治的に家康を支配下に治めようととする秀吉。こんな怖い秀吉は初めてみた。この秀吉の描き方は三国志の曹操などよりも怖い
最高の魔物だった。

その後だらけるが、関ヶ原以後、大久保長安と大久保忠隣の改易など、家臣団の権力闘争などをきちんと書いて(いきなり大阪の冬の陣まで飛ばずに)

伊達政宗との政治的な戦いを描きつつも、国家を平和に導く偉業を成し遂げる。

この作品のライバルたちが魅力的だった。徳川家康は正義の味方として描かれるのに対して、ライバルはクセが強く、戦いを挑んでくる。武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗。

横山三国志を読める人は読み切れる大河漫画。ただ読み終えるのは一苦労する漫画・











11月29日ミューコミプラス 秋の学園祭 感想




http://newslounge.net/archives/152392

三回席は空席
なので入りは7割くらい
アリーナもポツポツと空席

吉田アナ(よっぴー、ごぼう)の仕切りはもっとミューコミプラスのように、変態音響監督だったら良かったのに。

序盤は
Lisa
身体全身が楽器みたい
でも、コールアンドレスポンスが
物凄く難しいのを放り込んでくるので、
盛り上がりにくい。
ソードアートオンラインなどのファンタジー系豪華なアニメを歌っている系統の人。
この人が一番歌手(アーティスト)だった。

松井玲奈
スタダしゃちほこ、電波組.incのホームだったので
松井玲奈の応援がなくかわいそうではあった。
ただ美人。
AKBが可愛くないなんて嘘だ。

チームしゃちほこ
ここのファンが一番多い
1月の鯱詣センターステージの予習みたいなステージ構成
周りがコールや応援ががっつり入っているので、踊りやすかった。
なにより目の前2mのところに来たメンバーたちはみんな凄い。
黄色の女の子はなんてちっこいのだろう。

電波組
ここがメイン
すごいテンポの曲ばかりで、ちゅるりとかはわかった。
純度が高い。
これが観たくてきた。
ぶっ続けにBPM(テンポ)が速すぎて、殆どなにを歌っているのかわからないが、これが今のアイドルか。年齢は関係なく、ファンタジーと成功物語を一緒に創り上げる想いを与えてくれる存在。
応援の激しさはハンパない。


全てのアーティストを聴けたのは良かったが、茶番が長かった。茶番はキツイ。そのせいで4時間のイベントでなんだか不完全燃焼になる終わり。
面白かったんだけど、ニッポン放送の企画ライブは少し行かなくてよいかな。

2015年1月14日水曜日

時代小説でコメディというのはあまり読んだことない。 のぼうの城



舞台は秀吉の小田原征伐時の不落の城 忍城

成田家の当主から家老まで説明する序盤さえ突破できればスラスラと読める。

序盤はどうもつっかかる。家老の名前をズラズラ書かれると、知らない登場人物ばかりがでてきて混乱してしまった。

物語が進むにつれて、登場人物が忍城側は、のぼう、丹波、靭負、和泉、甲斐姫

豊臣秀吉側が、石田三成、大谷吉継、長束正家。 



石田三成30歳(豊臣家奉行)と成田長親45歳(忍城城代)

という年齢差を考えると面白かった。

秀吉53歳

石田三成は若さが魅力的。

同期の大谷吉継、長束正家と共に埼玉県行田市の忍城攻略の命令を受ける。

ここで手柄上げておきたかったのだろうな、石田三成は。

その焦り具合が滲み出てくる。


のぼう様が45歳というのは信じられない。

この歳ででくのぼうと呼ばれていたのか。本当にダメな人間じゃないか。

ダメな人間たちがエリート集団に勝つという物語は単純に楽しい。



最後のシーンまでのぼう様の心理は描かれなかったな。

最後に田畑を元に戻してくれというシーンだけのぼうの気持ちが出ていた。

あとは推測でみんながのぼうを見ていた。

のぼうというブラックホールに魅せられたみんなのお話。


面白い小説。時代小説なんだけれども、コメディで真面目くさってなくてよかった。







2015年1月7日水曜日

暗い奴は暗く生きろ 感想 言葉のもつ力について




蓼科山荘物語 リクルート元常務の生嶋誠士郎氏の著書

リクルートの現場で経験してきたことをまとめた100近くのエッセイ

仕事から得た経験からその人の人間観に基づいて発せられた言葉とその顛末のエッセイ。
なにより、言葉の力、喋る力というのは自分と他人の人生にどう影響してきたのか?

多々のリクルート本があるなかで、この本の特徴は発する言葉に対しての感性が特徴的。言葉の持つ力で人の心に影響させたいと思ってたら面白い本。

基本的には、人生観のとても強いビジネス書なんだろうなあ。


人生観は至って普通。
ただし実践することは困難であり、
著者も度々できていないことを告白している。

理念として
高潔な人間であれ。
人智を超えた先にある神の存在を感じ、祈りなさい。
自分自身に固執せず、それを解き放って行動せよ。
自分のいる場所が裏方だろうが、表だろうが、一生懸命頑張ることが一番大事
士は己を知る者の為に死す 
凡人であるというじぶんの限界を知りつつ、そのうえで全力を尽くすこと

実践編として
社内政治(周りの人間関係、力関係、キーマン)を全力で頭に叩き込め。これで後々の行動がすごく楽になる。
忠誠心を求めるなら、反対給付である立場、給与、居場所などを与えなくてはならない。忠誠心は無償では得られない。
などなど

真っ当な人間の生き方を説いている。


タイトルはとても特徴的でキャッチーだが、

リクルートという明るくリア充の塊のようなイメージの会社で明るく振舞っているやつも、
あれは演じているんだ!リクルートという文化のなかで。むりやり合わせようとして。
だから暗くても明るく振舞うように無理をするな。

しかし、暗いというのと、自己中心的、己の世界に閉じこもっていることは暗いとは言わない。

人間だれしも闇はあるので、その闇に対して畏怖の念を持ち、奢らず謙譲の心をもち、
己の卑小さをわかりつつも情熱をもち、言葉少なくても高ぶる精神をもっていること

そんな意味だった。


面白い箇所は、118ページの「コミュニケーション能力 あなたにはない」

コミュニケーション能力の段階を説明していて、
基本
1 じぶんの言いたい事が言える
2 相手の言っていることが理解できる
第二段階
3 じぶんの考えをドキュメントにできる
4 反対意見を正確に述べられる
5 相手を説得できる。論理的に。さらに難易度が上がって感情的にも。
第三段階(名人芸)
6 目線で意志を伝え、相手を巻き込める
7 後ろ姿が常に説得的である。

コミュニケーション能力は伝達手段という意味ではなく、むしろ信頼関係のこと。その手段として言葉がある。その土台の上でしか、知識・スキルは生かすことができない。



そして、ラストは「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
言葉のもつ力と自分自身の限界を書いている。

1968年 江副浩正 社是 制定
1988年 リクルート事件後 生嶋誠士郎(著者)社是廃止 リクルート事件後過去全否定のなか、江副の社是は社会的規範に反する為
その後、社歌を何度も作るが、全て廃れる
現在まで、江副浩正の社訓は、廃れずに残る
そしてその言葉を心に掲げ、リクルートは動き続ける。

これこそが真に力をもつ言葉だったと。







2015年1月5日月曜日

今更ながら東野圭吾はじめてよむ(ガリレオシリーズ)

東野圭吾


容疑者xの献身

緊迫感がすごい
犯人たちの姿は冒頭に表現され、

それを解いていく刑事たちとガリレオ湯川学

刑事たち、靖子、
一つの行動によって、心理の波や、石神、靖子の心の動き、
それが愛おしくなってくる。

ミステリーも、東野圭吾の作品も何もかも初めて

こんなに面白いのか。


ガリレオの苦悩

短編集

ミステリーは面白いし、読みやすい。
ただあっけなく終わるので、あの切なくてどうしようもない犯罪者のやるせなさはない。
このキャラに会えるのは嬉しい。短編集はライトノベル風味。
短編は二番目 操縦る(あやつる)が面白い。

聖女の救済

情念て怖いです。
東野圭吾の本は分厚いけれど、さらさらっと読める。
夜通し読んで翌日寝不足。

犯人はみんな目星がついているのに、到達できない。
最後の虚数解の執念が凄かった。

草薙刑事の特別の感情というものの、最後が切ない。
草薙刑事が主役のお話。

ようやく真夏の方程式へ。

犯人が魅力的なのは、ミステリーの基本なのかな?




7番房の奇跡 面白い。韓国映画歴代3位の触れ込み通りの面白さだった。








良い映画に出会えた。

映画って本当にファンタジー!!
観て5分で心を掴まれたら2時間観る価値はある。
5分の内容でうーーんて感じだと合わないと思う。

予告編よりもっとコメディ寄りな作品。

冒頭はシリアス、コメディ、親娘のヒューマン、模擬裁判での冤罪の可能性、
めまぐるしく変わるのにテンポが小気味よくて自分は映画の世界に引き込まれた。

状況説明が終わり、

そっからドラマスタート


15年前、主人公ヒロインが6歳くらいの時の父親との思い出と

父親が刑務所に収監され、そこの7番房にいたみんなとの回想


親娘の愛と絆のヒューマンドラマを軸に7番房の囚人たちがコメディに喜劇を演じるんだが、


その親娘の愛を叶えようとする7番房のみんなの作戦が面白くて仕方ない。
でも、映画冒頭にこの話のエンディングはほぼ示唆されているので、

このコメディシーンが笑えるんだけれど、切ない泣き笑い状態。

でもどうにかこの観ている人がわかる結末を回避できないだろうかと
一緒に出ている出演者に共感しながら観てました。
まるで、自分も7番房の一員みたいに。

中盤あたり、娘が段ボールから出てくる場面は名シーン。



韓国映画って初めて観たけれど、映像が綺麗だな。


冤罪の可能性の事件は少女誘拐暴行殺人事件という超絶重苦しい。
そっちにドラマを振らないで徹底的に幸せな気持ちにさせてくれる。


冤罪?被害者の気持ちなんて置いてけぼり、火事はどうなった?雨が降っているシーンでなぜか晴れていたりするところもあったりするシーンもあるけれど、気にしてないみたいだ。
細かい設定の齟齬なんて吹っ飛ばしていく。


ラストはヒューマンドラマの定番、コメディから変調して泣かせに入る。
映画館で観たら、周りのすすり泣きにつられて泣くだろうなという泣かせっぷり。



このベタな感じは大好きです。

韓国映画かあ、

金大中大統領時代に、

国策で映画産業の振興を行っていたのが韓国映画の隆盛を生んでいるという

政策の成功は超絶眩しかったです。









仕事漫画は面白いな 夜明けの図書館 感想




珍しい図書館業界の新人職員の司書を主人公にした漫画

キラキラしている漫画


調べたいことがある。

情報が必要なのに、

自分一人では見つけられない。
それに全てが本に纏まってるわけじゃない

自分の地元の司書さんは、
その曖昧な調べたいことを本だけじゃなく雑誌まで網羅して検索してくれて、

該当箇所を教えてくれた。

そのサービスにはほんとうに感動したなああ。

一週間待ったけど、

これ、全部人力で司書の方々が探してくれたんだとこの漫画読んで感じます。

その司書さんたちの気持ちも漫画では、美しく表現されていて読んでいて楽しくなりました。

探すのに大変だったろうに、見つけてくれた図書館の方々に感謝。

まだ一巻だから

司書のキラキラした部分のみ、

こういうサービスがあるんだよ!ということのみをテーマにしている。

この仕事特有の辛い部分(本を処分したり、貸し出しノルマや人員削減やレファレンスサービスの廃止などなど)

はそのうち描いてくれるんだろうな。

やっぱり仕事漫画は面白い。



2015年1月1日木曜日

少女は自転車に乗って 感想

良い映画。



人間はどこの国でも同じような悩み抱えていて、
けれど、生活をする社会というのは多様性に富んでいる。

観るきっかけは、サウジアラビアの生活、文化を視れるから。

主人公の女の子、ワジダはお転婆で自立心の強い少女

子供達は、大人の目を欺いて、おしゃれをするし、

人間的な感情を露わにする。

それでも大人っていうものは、その国の習慣や文化に沿って生きなきゃならない。

だから、それを教えるために教育ってあるんじゃないかな。

でも、それでも大人もこっそりその国の文化の抜け道を探って人間らしく生きている。

伝統や習慣はとても大事で社会で生きていく上で団結し、他者との摩擦を減らす有益なものだけれど、

その習慣でやっぱり苦しんでいる人間も沢山いる。

習慣も不変のものではなく、時代とともに変化していくものだなあ、

変化していって欲しいものだなあと思う。

サウジアラビアの男性も二家族養わなくちゃならないのは大変。



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