2014年1月5日日曜日

はなかみ浪人 吉川英治

はなかみ浪人

http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/card56067.html


忠臣蔵、赤穂浪士47士のなかで、

討ち入り時に最も活躍したとされる

不破数右衛門正種の話

あまりの武骨物であったために、

赤穂藩でも馴染めず、江戸詰めになったりしたが、そこでも田舎者の武骨者として都会に馴染めずにいる、純粋な人間として描かれている。

浅野内匠頭も、短気という設定ではなく、名君として描かれている。

小山田一家の末娘に恋を抱いてしまい、

その恋が実らないまま、終わってしまった。という話。

ほぼ、史実に沿っているのは、大きな事件、浅野内匠頭の存在だったり、小山田一閃隠居や、小山田庄左衛門だったりするくらい。

講談ものとして描かれているので、
結構な部分で改竄している。

そして、純粋な勧善懲悪ものとして描かれている。

だから、超読んでいてスッキリとする。

どちらにも正義があるという小難しくなった世界ではなく、

もっと原始的な、此方が正義、

正義は勝つとは限らないが、お金に目がくらんでしまうよりも、

どれほど純粋な義の心や精神の優しさは、大事であるか

最終的には死ぬかもしれないが、自分の命をかけて義を貫き通す、それこそが正義であるという

もう単純明快、最高にスッキリとする講談もの。

短くてなお良い。

吉川英治は、本当にすっきりとする大衆文学の大御所だったのだと、

改めて感じさせてくれた。

それプラス、歴史小説は、決して論文、レポートの参照資料に加えてはならない。それだけでD-になるのも、歴史小説自体が、改竄多すぎるから、小説としての価値では高くても、歴史の講座では、使っては行けないのが、ここまで明確にわかる作者なので、とても腑に落ちた。

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