http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/card56067.html
忠臣蔵、赤穂浪士47士のなかで、
討ち入り時に最も活躍したとされる
不破数右衛門正種の話
あまりの武骨物であったために、
赤穂藩でも馴染めず、江戸詰めになったりしたが、そこでも田舎者の武骨者として都会に馴染めずにいる、純粋な人間として描かれている。
浅野内匠頭も、短気という設定ではなく、名君として描かれている。
小山田一家の末娘に恋を抱いてしまい、
その恋が実らないまま、終わってしまった。という話。
ほぼ、史実に沿っているのは、大きな事件、浅野内匠頭の存在だったり、小山田一閃隠居や、小山田庄左衛門だったりするくらい。
講談ものとして描かれているので、
結構な部分で改竄している。
そして、純粋な勧善懲悪ものとして描かれている。
だから、超読んでいてスッキリとする。
どちらにも正義があるという小難しくなった世界ではなく、
もっと原始的な、此方が正義、
正義は勝つとは限らないが、お金に目がくらんでしまうよりも、
どれほど純粋な義の心や精神の優しさは、大事であるか
最終的には死ぬかもしれないが、自分の命をかけて義を貫き通す、それこそが正義であるという
もう単純明快、最高にスッキリとする講談もの。
短くてなお良い。
吉川英治は、本当にすっきりとする大衆文学の大御所だったのだと、
改めて感じさせてくれた。
それプラス、歴史小説は、決して論文、レポートの参照資料に加えてはならない。それだけでD-になるのも、歴史小説自体が、改竄多すぎるから、小説としての価値では高くても、歴史の講座では、使っては行けないのが、ここまで明確にわかる作者なので、とても腑に落ちた。
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