学習動機。勉強の内容が面白いと感じた人ほど効果的な勉強方法を考える。
また、英単語を覚えるには繰り返しよりも、接頭語を意識したり関連付けで覚えた層が成績は良い。
内容の面白さが動機を産み、負荷の高い勉強法への意欲を湧く。負荷の高い勉強は効果が高い。
結果として、いい成績をあげることができる。 という内容。
教育心理学の、学ぶ意欲について書かれた本。
いい本だった。
読めば、やる気を科学的に分析することの大変さを感じる。
そして、心理学の学説を援用して持論に権威つけることを戒めてくれる。
この本は、動機付け=モチベーション を論じる前に基礎心理学の講義が一章分入る。
著者が一番大事にしているのは、教育心理学はまだまだ限界をもった学説であること。
振り回されない為に、基礎的な心理学の流れを押さえておく必要があるという部分だ。
心理学の基礎は、動物実験やモデルを使って一般化したもので、
心を抽象的なモデル化して分析していく学問だと示す。
結果としてどうしても基礎理論は抽象化し、全ての事象を網羅しようとするので極端になりがちだ。
心理学にはこういう弱点がある。
学習の2要因モデル
縦軸に、学習内容が自分にとって大事かどうか
横軸に、学習が役にたつかたたないか
市川伸一の理想としては、学習内容に興味がない状態では、
他人との競争や、
負けたくないという自尊心、
みんなと一緒にやる楽しみ
ということからスタートしたとしても
徐々に学習自体に興味を持つ、
自分の能力を訓練する喜び、
実生活に活かしていくように進んでいく
という方向に進んでいくことを期待している。
好きなことこそ上手なれ
すきになることで、学習方法も考え出し、効率的に勉強をするようになる。
しかし、教育学者として大きな問題がある。
この学習理論を実際の教室に適応させるときにエライ手間が係る点だ。
オーダーメイドで個人個人の動機付けを見ていかなくてはならない。
また、算数の九九は、好きだろうが嫌いだろうが、できなくてはならない。
教育者として、学習者に将来食って生きて行く為には、つぶしの効く学力をつけなくてはならない現実問題がある。
教えなくちゃならない学習と
好きでモチベーションのあがる学習
この二つをどう配分するのが効果的かを見つけ出すこと、それが学習理論を教育心理学の分野で求められていることだというのも理解した。
ラストの教育の意味とはが心に響いた。
教育の意味とは
なりたい自分と なれる自分の領域をひろげること
イイ本だった。
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