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2015年1月22日木曜日

アイドル漫画の名著 アイドルとして成功を目指す話の逆 アイドルとして成功した少女たちの心情を描く


tokyo girl's style 東京女子流

新曲 Say long goodbye 



という映画も作られた。



2010年1月1日結成。エイベックスから誕生した、小西彩乃・山邊未夢・新井ひとみ・中江友梨・庄司芽生からなる5人組ガールズ・ダンス&ボーカルグループ。

アイドルであった。2015年1月5日にアイドル活動を停止し、
アーティスト宣言をする。



昔は、アイドルとして、ももクロと対バンしていた。3年前くらいだったかな。



女子流の勝ちだったが、話題をさらったのは、ももクロだったな。

東京女子流をモデルにした漫画 5つ数えれば君の夢


five stars という高校生のアイドルグループで成功している5人の少女のお話

アヤノ。ミユ。メイ。ユリ、ヒトミ。

彼女らは夢を叶えた人間たち。かれらの夢と現実の狭間を描く素晴らしい漫画

アイドルという存在は、ローティーンかそれ以前から訓練し、そして容姿や能力で容赦なく選別されていき、生き残ってもさらに他のアイドルと競争がありながら、
残酷にもアイドル活動としてのお終いは20代の前半には終わるという儚い存在。

そんななか漫画の彼女らは夢を叶えたことができた。
そして、夢のステージが彼女らにとって現実になり、
そして学校や普通の恋やペットを飼うこと、進学すること、
それ自体が夢になってしまった。


アイドルとして活動するために、恋をするのもままならず、友達との隔絶もある。
それでも、少女たちは、アイドルとしての偶像を作り続けることに青春を掛ける。
このファンを含めたみんなで共有している夢を完璧であり続けるために決意する。
夢を生き続けるにはどうするか、その意地と決意を示してくれる。
考え続けてそれにむかってそれぞれの方法に従って
自分に言い聞かせながら笑顔でステージに立ち、
ファンのみんなに夢と華やかさと希望をあたえてくれる。

その決意の重さが、人々の心に焼きつく。そして偶拝される。とくに同世代の人間には。

この漫画はその成功したアイドルの心について
一人一人の心情を淡いタッチの絵で十二分に表現する。


ただ、漫画より現実はもっと早い。
漫画は一箇所の時間を切り取り、ずっと残る。
でも、実際の東京女子流は、もう2015年1月5日に私たちはアイドルを卒業する。
自分たちはダンスユニットとボーカルのアーティストだと宣言した。

アイドルとしての夢を終わらせた。そしてずっと残るための歌手としての道を選んだ。



山岡荘八原作 横山光輝漫画版 徳川家康  悪魔のように魅力的な豊臣秀吉!!秀吉のファンになる作品




山岡荘八×横山光輝 という黄金コンビの漫画

横山光輝の超大河漫画。長いし、漫画の絵柄はいつもの変わらず横山光輝。三国志の戦国時代版と言っていい作品。 文庫本サイズ600ページ暑さ4cmが8冊
この長さで、途中はダレる。仕方ない。

徳川家康を中心に回っているので、側近がなんの前触れもなく変わっていくので、読むときは事前に知ってなくちゃならない。この分厚い本を読む人はそんな基礎情報は知っていて当然だが。

松平広忠(家康の父)の時から、家康が死ぬまでが物語。

この漫画いいところは、
徳川家臣団の忠義心と強力なライバルたちとの戦い。


人質時代で三河を今川義元にかすめ取られたときの家臣団の
屈辱的でありながら耐え忍ぶ三河武士家臣団の忠義
耐える人間、忠義に殉じる人間を描かせたら横山光輝は最高の漫画家だと思う。

この漫画の白眉は5巻、6巻 

信長が死んでから豊臣秀吉と徳川家康の政治的な駆け引きのやりとりは痺れた。
どちらも将棋のように相手の意図を読みつつ戦争したり、同盟を結んだりと手を打っていく様、
家康の重臣だった石川数正、それの意図を組む本多作左衛門など、家臣団が活躍する。

徳川家臣団の忠義心と家康の侠気で対抗する家康に対して、

人とは思えないほど人間の心理機微をついて政治的に家康を支配下に治めようととする秀吉。こんな怖い秀吉は初めてみた。この秀吉の描き方は三国志の曹操などよりも怖い
最高の魔物だった。

その後だらけるが、関ヶ原以後、大久保長安と大久保忠隣の改易など、家臣団の権力闘争などをきちんと書いて(いきなり大阪の冬の陣まで飛ばずに)

伊達政宗との政治的な戦いを描きつつも、国家を平和に導く偉業を成し遂げる。

この作品のライバルたちが魅力的だった。徳川家康は正義の味方として描かれるのに対して、ライバルはクセが強く、戦いを挑んでくる。武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗。

横山三国志を読める人は読み切れる大河漫画。ただ読み終えるのは一苦労する漫画・











2015年1月5日月曜日

仕事漫画は面白いな 夜明けの図書館 感想




珍しい図書館業界の新人職員の司書を主人公にした漫画

キラキラしている漫画


調べたいことがある。

情報が必要なのに、

自分一人では見つけられない。
それに全てが本に纏まってるわけじゃない

自分の地元の司書さんは、
その曖昧な調べたいことを本だけじゃなく雑誌まで網羅して検索してくれて、

該当箇所を教えてくれた。

そのサービスにはほんとうに感動したなああ。

一週間待ったけど、

これ、全部人力で司書の方々が探してくれたんだとこの漫画読んで感じます。

その司書さんたちの気持ちも漫画では、美しく表現されていて読んでいて楽しくなりました。

探すのに大変だったろうに、見つけてくれた図書館の方々に感謝。

まだ一巻だから

司書のキラキラした部分のみ、

こういうサービスがあるんだよ!ということのみをテーマにしている。

この仕事特有の辛い部分(本を処分したり、貸し出しノルマや人員削減やレファレンスサービスの廃止などなど)

はそのうち描いてくれるんだろうな。

やっぱり仕事漫画は面白い。



2014年8月30日土曜日

芳崎せいむ 「オープンマインド」

オープンマインド(2004年) 精神科への偏見がまだ強かったと思う時期に描かれた作品
なぜか、一巻で打ち切り?になってしまったが。



一人一人の人間模様が素晴らしい漫画だった。
人間は生きていくために、成功体験や失敗経験を通じてあることに対して「思い込み」や「こうあるべき」という感情をいだくようになる。
それ自体、そのひとを彩ってきた魅力でもあり、個性でもある。
そこをしっかりと描いてくれるので、登場人物である患者と呼ばれる人たちが生き生きとした
ひとりの人間として描かれている。

その人々が、なにかのきっかけで(娘の死や事業の失敗、疲労、気負い過ぎ等)
ちょっとバランスを崩してしまったことで。
そういう普通の人々が上手く人生ができなくなり思い悩んで、行動できなくなったり自分自身への嫌悪感、深い落ち込みをもってしまった。

そのなかで、多くのひとが「精神科」に通院は恥だ、行けない、胡散臭い、自分は病気ではない、などとはじめは拒否反応を示す。

それぞれ何かしらのきっかけで美人先生と出会う。

この主人公の美人先生は、診察の場でそのうまくできなかった部分にきちんと向き合って、
生きていく上で、そういうことも起こりうることをきちんと説明してくれる。
それだけではなく、そういう気持ちになることを「理解し共感」してくれる。
機械的に捌くのではなく、人間として向き合ってくれる姿。

そして誰にでも平等に、心を揺れ動かさずに、親切心と他人への愛情をもって接していく美人精神科医

その浮世離れした感じがこの漫画の魅力だった。

でもたしかに普通の人が悩みに落ち込む→先生にあう→いやされる→少しずつ人生を前に進めていくことを決める。

これが続くので、長期連載は厳しかったのかも。

ある程度、こころの病に対しての認知度が上がった今、ひとつの作品としての役目は終わったが、漫画としては
この千鳥先生の美人度とその優しさ、柳のような芯の強さ、めちゃくちゃ魅力的。
それが2014年現在でこの漫画を読む事の楽しみかもしれない。

http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20121020/p1
Jコミで無料公開されているみたいだ。

漫画古書への愛を爆発させている金魚屋古書店
を描く芳崎せいむ

この偏愛すぎる漫画を説明する漫画も知らない漫画との出会いを色々と得る事ができる良い漫画

2014年8月11日月曜日

百合漫画 乙女ケーキ 表の感情の裏の相手の本音を垣間見て自分の感情を知り、そして表面は何も変わらず



乙女ケーキ
思春期の女の子の気持ちの動きを描いた短編集
百合姫という一迅社という出版社
でも単純なゆりゆりな漫画じゃない。

思春期の女の子になったことはないので、わからない。
だから、物語を通じて疑似体験しかできない。
物語の役割は、むしろこの疑似体験にあるとも思う。
河合隼雄が青年期のクライシスを語るとき、よく少女漫画で表現されているもの
これが思春期の女の子を観察する上で(感情上)役立つと。


乙女ケーキは女の子が女の子を好きという話が10編ほど集めたもの。
よくいう友情以上恋愛未満という王道ではなく、
私は好き、あなたが私を好きだと言う。そしてそれは偽装でもあり、自分を守る自意識のためにうまれたものだったりする。
その安全な繭のなかで生きることを望むための手段。
それをお互いわかり、お互いの騙し合いっていることを受け入れてもいる。
その上でその大事な親友、女の子の友情の濃い話を描く。そこには好きな男性の姿や
それに対する嫉妬やそれを隠しながら日常を生きる姿

少女漫画は比較的短いものだけれど、特にこれは短くたった10ページでまとめ上げる。

この超短編で感情のレベルがめちゃ深いところを表現するので、こんががるところも出てくるけれど
百合漫画の傑作(声優の佐倉綾音が言ってた)というのは本当だった。

2014年7月16日水曜日

アルスラーン戦記 漫画版(荒川弘) と 小説原作(田中芳樹) このタッグは凄い





原作者 小説田中芳樹のアルスラーン戦記(初出1986年)を鋼の錬金術士、銀の匙の荒川弘が、コミカライズ。

ただのコミカライズではなく、漫画として、原作に弱かった人と人の繋がりの部分を、オリジナルストーリーで補完していく。ただのコミカライズというレベルではなく、本当に別の作品に仕上がっている。
文章だけではイメージしきれない王都エクスバーナの繁栄ぶり、ハガレンを思い出させるような洗練された登場人物たち、さながら映画版を観て、面白くて原作に手を出したかのような気分だ。

昔からの原作ファン以外なら、漫画版から入った方が良い。何故なら登場人物がまずもって多く、それもペルシャの偉人たちの名前を借用しているので、小説から入ると混乱してしまう。その分、文章を読みながら登場人物を想像するような楽しみはなくなるが。漫画は自分にとってこの超大河ヒロイックファンタジーを読む上での水先案内人になってくれた。

舞台はまるでイスラムに征服される前のイラン(ペルシア)にそっくりな異世界の物語。
多神教文化が栄え、シルクロード(大陸行路)という交通の要所を押さえた超大国がルシタニアという一神教宗教国家に対し一度の大敗で崩壊してしまった。
そして、なんとか生き延びたアルスラーンは、騎士の中の騎士 最強騎士ダリューンと戦場を離脱した。目的地は宮廷の重臣だが、王の怒りを買い、森のなかで隠棲生活をしていたパルス一の軍師ナルサスの元へ向かった、そして、王都攻防戦から敗戦で王都が占領され虐殺が行われるところから物語が本格的にスタートする。


戦争に壊滅的な敗北したパルス軍の王太子アルスラーン14歳が、敵国ルシタニア(イメージはキリスト教の十字軍)に占領されている王都を奪回するために、たった6人で、東国境の城壁ペシャワール城へ再起をかけて旅をしていくのが小説版のこの巻のメインになっていく。

ここまでで漫画2巻は終了。以後は小説版で読み進めた。ペルシアの史実を用いたファンタジー大河ドラマ、そしてイメージしやすい旅路、因縁がどうもあるパルス人で敵方(ルシタニア)についている銀仮面卿が執拗に追ってくる。旅路のごとく襲いかかる災難と敵軍。

主人公側の登場人物はチートの強さを誇り東国境ペシャワール城へ旅路を続けていくのだが、その戦いが、人数差が400人対1人か2人だったりに囲まれたなか、生き延びるしまう部分は昨今のチート主人公が出てくる作品に近い。でも、男だったら最強の騎士、最高の軍師(諸葛孔明のような)に憧れるだろう。

でも、この作品の最大の魅力は、各諸外国やパルス側の領主がパルス弱体の元、様々な思惑をもって戦争や政治闘争をしていくところ。そのために歴史大河ドラマをみているように感じるのだ。そこがめちゃ楽しい。ルシタニア内での一神教の大司教の専行や王弟殿下との対立、そして銀仮面卿との危うい共闘関係、銀仮面卿が通じている地下深くにいる蛇王(悪の化身)を蘇らせようとする魔術師たちとの関係。様々な勢力がそれぞれ自己の利益のために政争で争うのだ。大河歴史ドラマが大好きな人間なのでからこういう政治的思惑が絡み合うのは大好物だ。とても人間らしい。

そのなか、一人王家を復活を願い、その心の優しさで多くの人を味方にする王太子アルスラーン そこだけがこの戦乱の世に異端として存在している。その掲げる正義のもとに人が集まってくる。当然ながらその掲げる正義が万人の正義ではなく、パルス側でも既得権益を喪うものにとっては味方にならず中立となる。

そんなヒロイックファンタジー小説。あまりに面白くがんがん読み進めた。ちょっと前までAmazon欠品だったが、増版したのかほぼ全巻復活している。値段も一冊900円強。盛り上がっているいま、おすすめしたい小説。今回読んだのは1巻2巻 現在もまだ連載中で14巻まで発売。 それにしても初出が1986年で2014年で完結していない作家の遅筆には困ったものだな。

2014年7月14日月曜日

もやしもんの樹ゼミの仲間意識は理想像


もやしもん 完結13巻にて

無事に読み終えた。

読んでいて、こういう大学時代を送りたかった理想だね。

やっぱね、漫画は、こういう仲間との友情物語に、

ほんのり恋愛模様を加えた物語という王道は外せない。

そこに、もう一つの菌の世界、発酵の世界のような

知らなかったことをわかりやすく知ることができ、

知的好奇心も満たせるという本の魅力も詰まってる。

自分の大好物二つを組み合わせたこの作品は本当に良かった。


そして、やっぱり友達じゃない仲間という存在

偶然に同じゼミに入って、過ごす一年間で

みんながどんどんと仲良くなり、信頼し合うところは

人間にとって一番の幸福だと思う。


そして、最後の巻にて全部自分で抱え込んで、失敗してた忠保が

こんな幸せな仲間に巡り合えて一番の秘密を開示していく勇気

幸福を描いてくれる作品そのものだった。

読んでた時

スモールビジネスセミナーにちょうど参加して

自分の提出した事業計画書にぼろくその評価と
9名中の発表会で7位という成果で

先生からは色々と、計画が甘い、自分の足で
立っていないと、怒られたからかなあ。

そんな中で、抱え込むなよ、

周りを信頼しろというもやしもんは元気になった。

そんな仲間を増やしていきたい、そんな風に生きるのが

一番の自分の求めている幸福だなということを気が付かせてくれた作品

二部やってくれるの、めちゃくちゃ希望している。
いいね!

1ポンドの福音 高橋留美子大好き!! 10年の歳月の元、無事に完結してくれた!!



高橋留美子

メゾン一刻のような響子さんのようなヤキモチシスターと

おちゃらけボクサーのラブコメディ

ラブコメは、くっつきそうでくっつかない、

響子さんの場合、昔のご主人が忘れられなく

シスターは、神にお使えする身として恋に踏み出せない。

そんな恋に制約があるなか、

そんななかで五代くんもおちゃらけボクサーも、何度も純粋に

愛を告白していく。

そして、それがそれぞれのヒロインの心を溶かしていくなんて、

もう最高のハッピーエンドとしか言いようがない。


絵柄もめぞん一刻の後期のうまい頃なので

線が細くなり、紙面の情報量が減ったのでとても読みやすい。

そして、主人公には、その恋のためにカッコつける場面がある。

男性の理想的な憧れのような恋をなんで女の人が描けるんだ!!

高橋留美子だからなんだろうけど。

高橋留美子のラブにジョークとシリアスが混ざった名作だった。

2014年6月4日水曜日

ねむゆうこ トラップホール


ねむようこ トラップホール 3巻まで

Amazonでの評判は良くない作品だが、
この振り回されている感じがね、とても良い。


大判レディースコミックの魅力は
一巻完結か数巻で完結。
作家性が強い。テーマがはっきりとある。
きちんと起承転結がある。物語がきちんと進行している。

トラップホールも引き延ばさず、4巻で完結予定。

午前三時はその設定が実際のパチンコのデザイン会社てこうなのかな?
リアルぽさでありつつもファンタジーな職場で魅力があったけれど、

トラップホールは、基本的にわからない設定にどんどん巻き込まれていく感じ。

でも、物語を追いかける筋は主人公の心情に寄り添っていくと同世代だからわかる。

ヘタレな人間の普通にならなきゃならない!という強い心情。
1980年前半世代の強い気持ち。
そして、その日常があっという間に壊れてしまう感覚。
勢いや若さでは対応できなくなった自分。

そんななか、もがいている主人公がとても魅力的。

また良作を読みたいなあ。

2014年5月28日水曜日

ようやく秒速5cmのコミカライズ版読む 第3部が完璧に補完(映画観た人は嬉しくなる漫画)

http://shinkaimakoto.jp
新海誠監督の代表作 秒速5センチメートル

2007年に渋谷のスペイン坂上にあるシネマライズで上映して、くらくらした作品
http://www.cinemarise.com





映画の新海小説版のコミカライズ

まず70分の映画で語られなかったラストの部分第三部を丁寧に補完

一部桜花抄、二部コスモナウトは映画でもきちんと丁寧に描かれているので
補完する必要はないのだけれども、

映画の三部は、まるで山崎まさよしのPVでとても感傷的な気持ちになるカットを何個も
スピードよく入れていく方法で明里が別の男性と結婚すること、貴樹がSEの仕事を辞めたことまではわかるが、物語としては放り投げられて終わった感があった。
新海監督特有の空に舞い上がる鳥と新宿の風景が映し出され、
最後の明里の姿を踏切で見て振り返って誰もいないというシーンで終わる。
だから、このなかで貴樹への思いは宙ぶらりんに終わる。

だから、小説版で完全補完。貴樹の気持ち、どうしても吹っ切れない明里への思い
待っていた明里の気持ちと新しい生活。そしてコスモナウト編のヒロイン花苗(かなえ)の恋の結末まで完全決着してくれる。そして、ようやく1部のころからほのかに思っていた宇宙関連の仕事への行動。すべての決定からいつも目を逸らしていた人間が決意を持って行動を始めた。
(イケメン風にクールに仕事するから悶え苦しみうまくいかない人間の悩みは共感できないキャラだが)

ともかくも、秒速5cmはこのように完結したのか、それをきちんと補完したコミカライズ版だった。
距離がテーマだった新海3部作はこれでひとまず完結。

ただ、画のクオリティは佐原ミズのほしのこえの方が好きだった


2014年4月4日金曜日

創造的人生10年のあいだに創られたシュナの旅


シュナの旅 宮崎駿 

サイズは文庫本なのだが、中身はフルカラーで書かれている。
1983年作。宮崎駿自身が絵を描き、水彩画で絵にいろをつけている。

とても良い作品だった。

貧しい谷の集落の王子が貧しさを嘆き、ある死にかけた旅人が教えてくれた
豊かな実りをもたらしてくれる黄金の穀物の種を探しに旅に出る話。

この黄金の穀物の種を探しにいく、その事自体が命をかけて行うことになる

旅をすること、そして主人公の純粋な精神と勇敢さが心地いい。

ヒロインは途中で出会った奴隷に売られそうになった少女とその妹

そして、ようやく黄金の穀物を生み出すところにいった時に起こる大事件

そしてエンディング


たった150pくらいの中にいろんなものを詰め込んでくれている。
こういう旅の物語はどうしても人の一生と照らし合わせて読んでしまう。

旅をすることの辛さ、危険さを存分に感じさせてくれる。
そして若者という存在の力強さ、無鉄砲さ、勇敢さ
旅をするごとに黄金の穀物を探すことよりも命を保つことへの困難さが増してくる。
生きながらえる為に命を殺し、他者が生きながらえる為に殺されそうになる。
旅は、無謀なものにも思えてくる。伝説、伝承を信じて旅をしていくのだから、
読んでいる側は、この困難さを一緒に連れて行ってくれる。
そして、人間の残酷さも見せてくれる。
そして人の気高さも。人の愛情も。
ひとつの物を追い求め続ける辛さ。死地へ飛び込む勇気。他者を助ける精神。

この黄金の穀物は、それ自体素晴らしいものだが、罪深いものでもある。

物語の世界全体自体、絵本のような形で淡々と進んでいくのだが、
読んでいる側はドキドキしながら読み進めていく。


宮崎駿の創造的人生の10年間の時に作られた作品だと思う。
また、金額的にもフルカラーで500円という破格すぎる値段

地味すぎて映画化困難と自身は言っている。
1983年当時では厳しかったのだろう。
自分の創りたいものを作れるようになるような時期ではなかったんだな。
作りたいように作れるようになったら、自身の人生の終わりが近づいている。

2014年3月18日火曜日

二ノ宮和子の初期の作品 天才ファミリー・カンパニー 読むと必ず90年代後半を思い出します。 



のだめカンタービレの二ノ宮和子の初期作
天才ファミリー・カンパニー

まずもって、出てくる風俗や髪型、自信喪失満載の90年代後半の日本の空気がすごくわかる。

どんな本、漫画よりも90年代後半の空気をすごく表現している。

2014年から振り返ってこの漫画を読んだとき、

90年代の日本の空気感を知りたい人はそれだけでこの漫画は読む価値がある。

現在よんで、読んでいて古くさいなと感じるってことは、

その作品が描かれた時代をすごく上手く切り取って表現している証拠だと思う。





自分自身、岡崎京子の90年頃pinkで描かれたバブルのころのOLの感性だったり

雰囲気を漫画を通じてバブルってこんな感じだったのかなと想像を掻き立てられた

ように、天才ファミリー・カンパニーもその時代にタイムスリップできる漫画。



天才ファミリー・カンパニーは、基本的には、二ノ宮和子の得意なストーリー

傲慢で天才、それにイノセンスなもう一人の天才がいて、

そのイノセンスな天才に傲慢な天才が振り回されるというのだめカンタービレと

おなじような形でストーリーは進んでいく。

最初は変人が来て、生活がごちゃまぜになる面白さ、

そしてその変人が世界のスーパーセレブでしたという

子ども時代に考えるような妄想を実際に漫画にしたような話。

そんな話がだんだんと経済推理物語に繋がって、

最後は、もう誰もが考える万能感。これで締めくくられる。

こどもっぽい万能感が全編を通して感じられるところに嫌悪感は抱くかもしれない。


それでも、出版された90年後半に過ごした人たちにとっては

本当に落ち込んでいた真っ暗な世相のなか、この明るい漫画は楽しかっただろうし、

主人公の同世代として読むと、そのとき流行っていたもの、考え方が

手に取るようにわかる楽しさ、昔に気持ちが戻れる作品だった。

のだめカンタービレが好きならば、こちらは必読。

2014年3月16日日曜日

僕と彼女の××× ぺけみっつ 画がストライクすぎる

 


森永あいの  作品は、  えらく可愛い。




絵柄はとても上手い少女漫画風の絵なのに、


動いているところは、ギャグ漫画、

絵は可憐で、たれ目な潤んだ目のキャラクターで、めちゃ好みな絵柄

で、やっている内容は、BLやらを混ぜ込んだ超ギャグ漫画

このギャップが最高に楽しかった。


ストーリーは超べたな男女入れ替わり高校生物語

このベタさがこの作家さんの超絶魅力

ストーリーで新鮮みはない分、外しはないところは、韓流ドラマに通じる所がある。

画が奇麗でひとつひとつの線が太いから、Kindle版や電子書籍で読んでも読みやすい感じ

同じ超絶かわいい女の子を描く河下水希の絵は線が細くて奇麗な分

タブレットで読むにはちょっと細すぎるかと思う。



僕と彼女の×××は、10年の連載を経てようやく完結

いま再び読み返しても、やっぱり面白い。本当にこの漫画は大好き。

そんな作品

2014年1月27日月曜日

恋愛しませんか? 角川コミックKindle70パーセントオフ祭り


恋愛しませんか?

全三巻

奥手な青年と、メイドカフェのメイドさんの一ヶ月限定恋愛練習相手

Kindle角川70%OFFに乗せられて購入

Kindle本の初購入

ざっくり読めて、良いんではないかと思うが、

メイドカフェものだと、メイド諸君!

http://yasu0312.blogspot.jp/2014/01/blog-post_17.html

中学の初恋ものだと、悪の華



みたいな、もっとおどろおどろしい物語が好きなので、

あっさり風味の予定調和的な全三巻で終わるのが物足りない。

ジャンプや講談社、小学館のTOPクラスの作者の画力(もちろん本人が描いていないにしても、)

それと比べるとどうしても角川の漫画陣は、画力が低い気がする。


Kindle本を生まれて始めて購入。角川の割引祭りにあわせて
この漫画の存在を知らなかったが、レビューだけで購入してしまった。

が、今回気がついた。

無料や割引という言葉に惹かれず、

本や漫画に関しては、妥協してはダメ。

人が本や漫画を読む時間は有限だから、本当に読みたいものや、

読まなきゃならないものを読んだ方が、お金はかかっても、満足度は全然違う。


2014年1月17日金曜日

さすが、きづきあきら+サトウナンキ オタク人間の弱さを描かせたら一品





メイド諸君!

きづきあきら+サトウナンキ

この人達の作品は、ゲスい。

心の奥底にあるものや、人間の、特にオタクの酷いところを

これでもかと描いてくる。

人との繋がりを求めているくせに、

自分から動こうとしない人間だったり、

ある役割を演じることでしか、人との接点を見出せない人達

その中で、普通の世界の住人だった主人公のヒロインが紛れ込んだという

それで擦った揉んだやって、

このメイド喫茶というものが、一時の魔法のような居場所だったんだなあ

この鳥かごから抜け出ざるえなくなる。

個人個人はしっかりとした道筋を立てて、万々歳という

円満にはならないところが、リアルっぽくて良い。

人は変われないものだと、


最後の膝枕のシーンだけは、読者がこうあって欲しいと願った、

妄想のような付け加え

少しだけの救いをくれる。

ヨイコノミライが、救われない終わりだったので、

ここでは、救済はしてくれる。

それは、物語としては蛇足だけど、

漫画としてのファンタジーをくれたので、

そのラストシーンは、良かったと思う。

マニアックな漫画なので、万人受けはしないが、良作だと思う。

2013年5月24日金曜日

サークルクラッシャーの女の子の名作漫画


サユリ1号 全五巻

たった10年前の作品なのに、もう印刷することもなくキンドル版しかのこっていないというのが悲しい。

大橋ユキというすごい美少女で、いろんなサークルを渡り歩いてそこのメンバーのすべてとSEXをして男女関係、友情関係をぐちゃぐちゃにして、どんどんと色んなサークルを壊していく。そんな女の子がねらったのが、海洋冒険同好会だった。

どんどんと壊れていく関係のなかで、主人公の部長とその幼馴染の関係性にも変化がでてきて、それが最後の救いとなっていく。

村上かつらはどうしてこういう一般の人間、弱い人間のこころをうまく表現できるのだろう。

物語で、大学生活を経験できるというつもりで購入したんだったな。
人間関係に飢えている人には、漫画という形式をとっているので安心して読めると思う。

でもこの漫画とも卒業しなくちゃな。




2013年5月3日金曜日

砂時計 名作の漫画でした。



砂時計計10巻読了

名作でした。最初の12歳冬の母親の自殺という事態に対して、
まわりの人々、とくに主人公の杏がどれだけ苦しめられているところが見どころでした。

砂時計がテーマだけあって、時間12歳冬、14歳夏、16歳春 20歳 26歳 など

時間時間によってこの杏、大悟、藤、椎名 の四人の青春時代を追体験することができます。

それぞれに悩みを抱えていきていき、少年時代から青春時代、そして20代なかばでどういう

ふうに生きているかを見ることができて幸せでした。

幸い、親類に自殺者はいないけれど、これほどまでに多くの人々を死ぬということが

苦しめ、主人公に重みを載せてしまったのかというのが、物語をどんどんと重く重厚に

していってくれました。

それにたいして大悟という恋人はガンバった。色々と手をつくしてきたけれど、、、、

2005年の小学館漫画賞受賞作だけあって、重いながらも良い漫画でした。

7巻辺りで杏が死の淵をみたことで、生まれ変わりを果たせてようやく母親の呪縛から

逃れることができたのが感動的でした。それにしても、26歳、14年間彼女は苦しみ続けた

のだというのがとても重かったです。

だからこそのあのラストだったのだとおもいました。

そして、この本は、若い女性にプレゼントする予定で、読み継がれていってくれるのが

嬉しいです。

2011年7月20日水曜日

虹色のトロツキーを読み終えた  安彦良和の描く漫画 満州国と戦前関東軍

日本近現代史について全く知識がなかったが、

政治にうごめく日本近現代史がわずかながら理解できた。

内モンゴル自治区


一度だけ内モンゴルの草原で、数日だけ馬を走らせたが、

あんな真平らのところで歩兵戦をしたことにビビる。 殆ど草原しかなく、

日本国内の空気とは全然ちがく、乾燥し、木の影も少ないところで

武器弾薬、食料水の補給に苦しむなか戦ったのか。。。



虹色のトロツキー1巻

昭和10年代の満州を舞台にした日蒙2世が満州国で翻弄されていく話。すごく面白い。歴史上の有名人と、架空の人物で主人公、日蒙混血のウムボルトが織り成す物語。一巻はまだ序章。
石原莞爾と辻政信のあいだに人生を翻弄され、自由闊達な国策大学という奇妙な大学「建国大学」との学生たちの仲間意識というものにひねくれながらも愛着を覚え始めている時期



虹色のトロツキー 2巻



徐々に話が展開していく。 ウムボルトが建大を蒸発して故郷に戻り、孫逸文と接触する。銀巴里の歌手と会う。そこに奉天の楠部が張っており、通遼の日本軍が中国の農村に潜んだ孫逸文一派を取り囲む。逃げる三人。ジャムツの逃げるシーンはガンダムを彷彿させる。建大に戻るウムボルト。そこで日本人の青年たちの馬小屋立てこもり騒動があった。このあたりは青春記。安彦良和はこの話を青春記にすることも考えたらしい。




虹色のトロツキー3巻


ハルピンで、ユダヤ系のなかにもソ連のコミュニストがでてきた、ユダヤ系を使って沿海州にイスラエルをつくろうと画策する辻少佐。ウムボルトは知らぬ間にトロツキーとユダヤ系ロシア人のあいだの最重要人物へになっていった。運命がどんどんと翻弄されていってしまう。
この巻のハイライト楠部大尉とウムボルトの戦い。合気柔術創始者の植芝の弟子であるウムボルトが楠部大尉を倒し殺してしまうシーンはぐっときた。日本人を殺せば殺すほどあなたの日本人の血は薄まるのよの麗花の言葉は重かった。そして宗将軍のもとに合流し、抗日義軍を率いることに。大きな流れに翻弄されていく人生はキツイが、漫画として凄まじく面白い。





虹色のトロツキー4巻

初っ端から満洲国の重鎮が集合。小説でも漫画でも自分にとって初めての満洲の物語。

松岡洋右の南満州鉄道の列車「あじあ」の中での足の投げ出し方などは性格が出ていて読んでいて楽しい。画で説明するのは面白い漫画だ。
だんだんと軍部内部での対立軸もはっきりしてきた。本流が日ソ同盟で中国、英米と戦争派。辻少佐や石原莞爾が中国同盟で英米と戦争回避だったのか。川島芳子、李香蘭、麗花、魅力的な女性陣が勢揃い。
馬を寝かせて奇襲作戦。モンゴル馬をあそこまで乗りこなすのは大変だろう。植芝先生登場。やはり一番かっこいい。匪賊からウムボルトを取り戻しにきた、安江大佐が次に活躍していく。



虹色のトロツキー5巻


ウムボルトの人生はどんどんと変遷していく。たった一冬の間に人生が一変してしまった。ウムボルトにとって一番大事な出来事である「父、深見圭介の計画」がだんだんと見えてくる。
トロツキー計画の答えを見つけ出す為に満州国の興安軍少尉となる。敵と味方を行き来していく人間模様。麗花が偽満の将校となったウムボルトの元を去って消えてしまう。満州国興安軍ウルジン少将など、モンゴル系軍人がたくさん出てくる。現在の外蒙古とロシアと内蒙古にわかれたモンゴル民族の歴史が伝わってくる。ウムボルトが兵士とモンゴル語で話すシーンにモンゴル文字が振られているのはすごい良かった。キリル文字ではなかった時代だ。モンゴルの分裂した感覚をすごく感じることができた。 




虹色のトロツキー6巻


とうとう魔都上海にいる見世物トロツキーと、ウムボルトが接触した巻。
おやじを殺し、母を犯して殺した人間を探すという目的がウムボルトにはつきまとう。それが辛い。
そんななかで、清涼剤として建国大の恩師中山優先生との再会。建国大がとても素晴らしい存在として書かれている。学友との議論、友情、土地を愛することなど、精神の生まれ故郷として、学校を素晴らしい存在として書いている。ウムボルトの人生で最も幸福だったんだろうなあと想像してしまう。
安江大佐の子供が書いたラストの解説で、安江大佐の言葉に胸を締め付けられる。
「日本をこのようにしてしまったのは、我々年配の者達の責任だ。俺はその責任を取る。ソ連が入って来たら拘引されるだろう。俺は逃げも隠れもしない。」




虹色のトロツキー 7巻


ウムボルトが麗花を連れて建大に帰還。麗花を義父の所に預けることになる。日蒙二世、偽満と麗花に呼ばれ、義父は日本軍に親密であること、ウムボルトの中に流れている日本人の血を嫌悪し、麗花を押し倒せざるえなかった苦しみが感じられる。日蒙双方の意識からは五族協和は成し遂げられる気配は感じられない。
ウムボルトはノモンハン戦線へ。満州国軍蒙古少年隊に配属され、興安軍としてノモンハンへ出撃した。
外蒙とソ連邦 満州国軍と関東軍 蒙古人を二分しての戦争が勃発。
戦場の逃げ場の無さ、自分には想像しかできないが、こんな風に命がそこら中で消えていく感じなのか。
戦場にでて、戦車など近代兵器に差があるなかで戦う兵士たちはどうだったのだろうか。
辻権作が戦場に向かう際、満州国軍が離散した兵に囲まれ、国軍いまだ成らず はぐっときた。
関東軍も自分と同じ日本人だということを忘れられないなと思った。



虹色のトロツキー 8巻 完


読了。本当に面白かった。戦争てマジで怖い。こんな風には決して自分は戦えない。
ウムボルトのような青年はたくさんいたんだろうと考えを巡らせてしまう。。。
大きな運命に抗って生きた青年がいたんだろうという想像力が駆け巡る作品。
現実に起こった事件や時代を鮮やかに描くために、空想の人物を組み合わせた作品だった。
空想の人物だから現実の部分を描きれない為、ラストは戦死しかなかったのだな。


ノモンハン事件終結後、すぐに第二次大戦勃発。1939年にとうとう世界大戦が始まった。


最後の1990年代日本の終わり方は、ノモンハンと自分たちの時代は陸続きなんだと改めて思った。
そして秋葉原のシーンと安彦良和本人のデフォルメ絵が出てきたシーンで鳥肌が立って、わずかに希望を感じさせてくれる読後感が良かった。


これがエンターテイメントなんだ、凄いな。

2011年7月12日火曜日

図説女子高制服百科 制服イラスト集




なにかを網羅する事は、選挙活動に近いな。
政治家は、地域の有権者を歩いて地道にコンタクトをとっていく。

高校まではローカルなもの。
仙台の学校に青森の人はそうやたらめったら通学しない。
なので、制服図鑑を作ろうとしたら、その地域をとことん歩き回らないとならないだろうと想像しながら読んだ。
その地域での学校の立場や地位も紹介されているので、各地方を調査するのは手間がかかりそうだ。
藤女子高等学校 (札幌) 地方の学校はどうやって調べたんだろうか。



残念ながらこの本は、すべてを網羅しているわけでもないみたいだ。
載っている学校がどういったコンセプトで選択されたかはわからないし明示されていない。


服に関する図鑑は写真じゃなくイラストがいい。イラストのほうが情報量が少なくて閲覧しやすい。
光や色合いを絵で調節できるので、より洗練されてみえる。そのかわり奥行きがなくてイメージが変わったりもする。



制服の魅力の一つは、100年間の洋装が生きた形で残っていること。


森英恵など有名デザイナーの制服は、バブルの雰囲気を漂わせてくれる。
いまの主流はアパレル企業と協同で制服を作る
昔ながらの制服は、セーラー服が多い。セーラー服を着るのは伝統校の証拠ぽい。
生徒が投票して制服を選ぶととてもベーシックでコンサバティブな紺ブレザー、スカートになる。
生徒は制服は引き継ぐものだから、と考えているのかな?

ただでさえ、洋服は流行でどんどんと消え去るのに、制服には数十年単位でデザインが残っている。

それは本当にすごいことだと思う。博物館に入っているのではなく、実際に使用されている。毎日着られている。

セーター服の起源も、イギリス海軍の軍服から20世紀初頭に子供服として世界的に流行したのを、福岡女学院が1921年に導入したことがきっかけらしい。



制服のイラストの脇に学校紹介が載っている。


倒産したりした学校もあり、競争が激しい学校法人の運営も垣間見える。
経営が厳しくなると、起死回生として制服を変えたり、学校名を変えたりする。学習環境の改善などを図ったりしている。
甘い経営はとてもじゃないが出来ないみたいだ。


そして大手の聖心女子グループや大妻女子グループが地方に乗り込んでくるのを迎え撃つ地元女子高。
解説文には、OGが紹介されていて、この有名人はこの名門校出身だったのか!と驚くところも多かった。
高校の校風が載っており、友人の、ああこの性格だったからこの高校だったのか、も透けてみえるところもある。




絵師は、上手いひともいれば、頭身がおかしいひともいて玉石混交。


そして、この本は図書館で借りられた。置いていないと思ったが、リクエストしたら2weekで来た。図書館てすごい便利。

2011年5月19日木曜日

チェーザレ・ボルジアことヴァレンティーノ公があまりに不憫すぎる





チェーザレ・ボルジア というルネサンス期のスペイン貴族の人生は波乱すぎる。 

漫画のチェーザレ の主人公なんだが、 

女司馬遼太郎 塩野七生の30歳の時の恋人だった人 


(妄想乙だが、その妄想力が半端無く淡々と書き連ねていく魅力がある。ラストに萌え死ぬんだね)


塩野七生は文章に映像を駆り立てさせることが上手い。


「P159 じっとものうげに彼らの方を見ているチェーザレの姿と、そのかたわらにかしずく女。この情景は、二人の老獪な外交官に
いつもの冷静さを失わせた。彼らはそこに、完美と残忍という、官能の二つの鎖を感じ取ったのだ」


漫画版は






こんな貴公子おるのか!
16歳でありながら、父が教皇という最高権力者の一歩手前 当然大金持ちで、美男子。
無邪気で快活でリーダー気質もあり、反面怜悧な一面もある。


最高のかっこよさを全部載せしたラーメンみたいな人間です。




上の画も相当カッコイイのだが漫画版のほうが、ミゲルやその他の敵味方の絡みが想像しやすい。




なので、チェーザレという漫画をイッキ読みしたあと、そのキャラクター映像で
 塩野七生が描くルネサンス1500年辺りを読むと、半端無く面白くなる。 


漫画の利点は馴染みのないイタリアのルネサンスの人たちの顔を思い浮かべながら読めるから、親近感が湧くのだ。








彼くらい日本人に馴染みがあれば、ワザワザ漫画で読む必要はないんだ。


イタリア歴史漫画を描いてくださったおかげで、めちゃめちゃおもしろく読める。塩野七生もマキャベリも


漫画自体が画の書き込みが半端ないのもある。




チェーザレ・ボルジア ヴァレンティーノ公

全てを持って、計画を立て、時勢にも乗り、腹心にも恵まれ、教皇アレクサンドル6世の子供であり、 

軍隊がない状態から、フランス傭兵部隊を間借りして 

ロマーニャ地方を席巻してロマーニャ公国をたった4年で作り上げた人。 

チェゼーナで、片腕の公国内の内政担当 ラミーロ・デ・ロルカを惨殺 人心をまとめ上げる 

公国を作りあげた途上で、父である教皇と共に病に倒れ 父の死後、幽閉される。27歳 

以後人質生活を送り、脱出。義兄のところへ行き、スペインで戦死 31歳