2011年6月1日水曜日
街場のメディア論 内田樹読了!
内田樹
たつる先生の本 やっぱり面白い。
キャリアについても、一般的な考え方に違う視点を与えてくれる。
キャリアについて最初に自分の適した仕事があり、それを見つけるのが
仕事探しなんだ
それを見つけることが 就職活動というものなんだという考え方にケチをつける
まず仕事をする、そしてそのなかで自発的に育っていくものがあって、
そこで振り返ってみて、ああ、こういう能力があったのかという適性が見えてくるという考え方をする。
就職活動のとき、確かに多くのひとはそういってくれたが、自分の場合、メディアに毒されていたんだろう。
コーリング(天職)に合えさえすれば、才能は開くと考えてしまっていた。
なので、けっこう失敗をして、手痛いダメージを受けたりした。
たつる先生のスタンスは
なんでも、最初はわからない、経験していないことがわかるわけない という立場をとり
それを振り返ってみて、そこに意味合いを見出すことしか人間にはできないと語ってくれるのだ。
年長者、師匠の経験からの知恵を大事にする人なんだなというのを再び自分の中に思い出させてくれた著者だ。
わかるって時は現場で右往左往しているときで、使わなくちゃならない時には、
人間は使えるようになるもんだというスタンス。 これも納得。
いまの仕事も そうしないといけない状況に追い込まれたおかげで、覚えるのはすぐにできるようになった。
だれもやるひとがいない、じぶんがやるしかないときに人の能力は向上する。
それがコーリングの意味合いだよと。
メディアについても、自分の身体性をかけた生の声を発しているか、その声からでたものでないと
価値はないと考えているみたいだ。
インフラが商取引のように考えられるようになってしまい、全体の利益を守ることをしなくなってしまったことを嘆く。
個別の自分自身の利益だけを追求するようになったのは、この商取引の考え方を人間の活動、全ての分野に通用するものと錯覚して、教育や医療など、全体の利益となる部分に適用してしまったことがいまのめんどくささを生んでいるのかもしれない。
この本の白眉は
6講 本棚の効用について
本棚には既読の本、未読の本が仕舞ってある。そして、並び順もその人の考え方がでている。
既読の本からは自分てどういう人間だったのか、未読の本からはこういう人間になりたいんだ
並び順で、その人の思考がわかったりする。
なかでグチャグチャに考えがつまっている脳みそを表面にだして、見ることのできる
本当にお手軽な方法でもある。
それが楽しいんだ。本棚には未来と過去とみられたい自分が同居している。
だからこそ蔵書は個人的な楽しみになるんだ、そして自分の未来を予想していて、
こうありたい自分自身を表現していたりするものなんだ。
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