2014年3月18日火曜日
二ノ宮和子の初期の作品 天才ファミリー・カンパニー 読むと必ず90年代後半を思い出します。
のだめカンタービレの二ノ宮和子の初期作
天才ファミリー・カンパニー
まずもって、出てくる風俗や髪型、自信喪失満載の90年代後半の日本の空気がすごくわかる。
どんな本、漫画よりも90年代後半の空気をすごく表現している。
2014年から振り返ってこの漫画を読んだとき、
90年代の日本の空気感を知りたい人はそれだけでこの漫画は読む価値がある。
現在よんで、読んでいて古くさいなと感じるってことは、
その作品が描かれた時代をすごく上手く切り取って表現している証拠だと思う。
自分自身、岡崎京子の90年頃pinkで描かれたバブルのころのOLの感性だったり
雰囲気を漫画を通じてバブルってこんな感じだったのかなと想像を掻き立てられた
ように、天才ファミリー・カンパニーもその時代にタイムスリップできる漫画。
天才ファミリー・カンパニーは、基本的には、二ノ宮和子の得意なストーリー
傲慢で天才、それにイノセンスなもう一人の天才がいて、
そのイノセンスな天才に傲慢な天才が振り回されるというのだめカンタービレと
おなじような形でストーリーは進んでいく。
最初は変人が来て、生活がごちゃまぜになる面白さ、
そしてその変人が世界のスーパーセレブでしたという
子ども時代に考えるような妄想を実際に漫画にしたような話。
そんな話がだんだんと経済推理物語に繋がって、
最後は、もう誰もが考える万能感。これで締めくくられる。
こどもっぽい万能感が全編を通して感じられるところに嫌悪感は抱くかもしれない。
それでも、出版された90年後半に過ごした人たちにとっては
本当に落ち込んでいた真っ暗な世相のなか、この明るい漫画は楽しかっただろうし、
主人公の同世代として読むと、そのとき流行っていたもの、考え方が
手に取るようにわかる楽しさ、昔に気持ちが戻れる作品だった。
のだめカンタービレが好きならば、こちらは必読。
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