2011年5月28日土曜日

「片思い」道の最高傑作 武者小路実篤さんが百年も前に開拓済みだったとは 「友情」





友情


武者小路実篤の友情という本がこんなに熱く、純粋で、切ない 失恋小説だったとは!

武者小路という苗字から、堅苦しい話をしているのかと思い込んでました。

話の筋は単純

主人公の野島は、うだつの上がらない青年小説家

かれには、恋焦がれている女性がいる。友人の仲田の杉子という女性だ。

この杉子を女神のように崇拝している。彼女は私の妻になるために生まれてきたのだ。

そうでなければ、私がこんなに恋焦がれるわけがない。

といっても彼はうだつのあがらない小説家。 彼の唯一といっていい文学上の理解者

大宮  彼は新進気鋭の小説家なのだ。 そして、野島の小説を心から評価し信頼している。

彼らは親友同士なのだ。本当の心からの。

大宮には、従兄弟がいて、武子という。彼女と杉子が同級生なのだ。

そして、大宮は、野島の恋を成就させるために尽力を尽くす。

野島はうだつの上がらないが、大宮からは心から尊敬し、尊敬されている。

読んでいて、結末は もう見えるのだが、 どうやって その結末まで たどり着かせるのか

その過程が 楽しすぎる。

恋する男で、情けない男として描かれていた野島がいるなかに、 大宮も同じく恋に怯え、愛することに不安を感じていたのだ。

そして、ラストの 野島の激しい慟哭  そして、この深い友情 が どう決別していくのか!

超ハイテンションで進む恋愛小説及び 友情小説。

今年読んだ本で、一番面白かった。 

文章も現代文と同じなので 特に気にしないで読める。 なおかつ362円という超安価

このコストパフォーマンスは凄いです。




“文学少女”と繋がれた愚者がこの本を紹介してくれた。文学少女シリーズは、古典名作を元ネタに

遠子先輩と 井上心葉という男の子が 出てくるライトノベル こちらもビターなラブミステリーで

なかなか面白い。 この本を読み進めるために 友情をよもうと決意したのだったから。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ