内田樹の意義は、競争が高まって疲れてしまったときに、別の見方を示してくれるところにあるとおもう。
倫理観の本。
テーマは「無理しちゃいけないよ」「我慢しゃちゃ駄目だ」
関西人ぽく、現実的で、身体性が大事だと言って、合気道にハマったり、
成功なんてクソだよ。もっと楽しい事は沢山あるしね。
と言って、逆説的な物言いで人々を煙に巻いてくれる。
なんにせよ、とても優しさに溢れている本でした。
視野狭窄に陥りがちの現在を生きる人々(特に自分)に対して、一歩引いてみると、頑張れば頑張るほどドツボにハマる話をなんどもしてくれる。
大学の先生、お坊さん、牧師さん、恩師、生きて行く上で欠かせない精神的な部分を充足する役割を意識的にこなしているように思う。
痛んで傷付いているときはとても有り難い。失敗して逃げ帰ったとき、現在の中心的な価値観を否定してくれるから。
そこで休んで、再び考えることのできる精神的な空間をくれる。
人は簡単に壊れますよ。だから、無理しないでね。
頑張っても限界はあるから、充足する部分を細かく設定しておこう。
無理できるけれど、無理し過ぎると壊れます。
人間には有限の可能性、限界があるから、自分が持っているものは、きちんと意識的に配分してあげなくちゃだめですよ。
そこを、努力と根性で乗り切ろうと、毎回していたら無理が祟って壊れちゃいます。
特攻精神ではなく、クールに現状を見れる勇気をもちましょう。
自分のなかの自分に不寛容であることで、生じる摩擦や苦悩は、いったいその人をどうしてしまうのでしょうか。
我慢は身体に悪いよ
レイバーとビジネスは違うよ。ビジネスは創意工夫ができて、それにリスクを取れる人を言います。
決められた仕事を決められたようにやるだけだったら精神的に疲れるのは当然だよ、と言ってくれます。
正直、この言葉だけで有り難い。もっと頑張れ、ヌルイ、甘えるな の言葉のなかで育った人間からするとなんて優しい人なんだ!
人間において一番辛いのが、評価も査定もされないこと やりとりがあること
個性的であることは、他人からの承認を求めない、認められない、愛されない ということ という。
「「個性的であること」を否定するのは常で、否定しても否定しきれないところにある」のが個性という表現はたくさんみるけれど、「個性は愛されません。」と言い切ってしまうところが好きです。
らしくふるまうこと、キャラチェンジは しゅごキャラを思い浮かんでしまいました。
一枚自分の間に入れて、こういう風に振舞うと決めてしまうところなんかは良い。
式神を入れて、合わなかったら捨ててしまえ 人格なんて作り話なんだから。
だからこそ、物語をつむぐことは、多くの人間の感情をダイレクトに刺激することができる
幻想の物語を必要としていると纏めてくれます。
幻想なのかもしれないけれど、日本が明治時代に創り上げた物語がどうやって今に影響を与えたのかを最後の章で披露してくれます。
この人の本は、疲れ果て考える余裕がなかった自分にとって考える事を優しく教えてくれました。
2011年5月5日木曜日
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