ゴールデンタイム 3 仮面舞踏会 読了
なんというか、2巻の告白が実り、なんと万里と香子が付き合うことに!!!
まさかというかこういう展開になるのは、もっと先延ばしするのかと思っていた。
一番クスっとしたのが、香子の両親が万里と付き合うのに反対している理由が、
香子に付きまとわれたら万里君の人生がくるってしまうという自分の娘を超絶綺麗だが、精神的にはだいぶ不器用極まりない他人に迷惑かけちゃう存在だと考えている所が笑えた。ラノベなのに、竹宮ゆゆこの本には両親が出てきて、そこが読んでいて落ち着くが、とらドラの時ほどは親の影響は出てこない。
それにしてもイケメンな設定なのに、柳澤が性格的にそんなに成熟していない平凡で人間臭い点が愛着湧くなあ。
もう3巻までくると、基本的にはファンしか読まないようになるし、性格もきちんと把握することができてくるので、みんなが生き生きと動き始める。
岡千波はアニメ声のちっこい可愛らしい生き物にも関わらず、けっこう自己顕示欲が強いし。
リンダこと林田奈々と記憶を失う前の万里のあいだにあった愛情と友情のいっしょくたのものを幽霊になった過去の自分という存在が気にかけて、そこがこの巻のキーポイントになっていく。
過去の親友と恋人のあいだのような人が記憶喪失になり、そして一年後別の出会った時、女性のほうはその過去を思い出さないように初対面かのように振る舞っていたこと、その嘘が万里が静岡の実家で写真を見つけることでバレてしまって、
万里自体、自分自身の過去が失われてしまったことに対しての悲しさをもっており、いまの自分は仮初めであり、周りの人は昔の自分が返ってきてくれることを望んでいるんだと思ってしまっていることなど、ただでさえ自我が怪しくなる時期に拠り所である過去を失った青年というのはどう生きていけばいいのだろう。そのために逃げるように親元を離れたのに、母親は以前と変わらないように接してくれるのだ。
いまの自分を愛してくれる香子と、過去に愛していた(ただ親友どまりだった)リンダのあいだでどんどんと揺れ動いていくという話につながっていく。
夜になり、下宿先での飲み会、そこでの会話、そしてベランダで話たりする、何気ないことがものすごく美しく懐かしくなってくるのだろうな。対話をすることを竹宮ゆゆこはものすごく重視している。だからこそ、とらドラ!が名作になったのだろうし、いまはまだとらドラ!の期待感で読み進めているだけだが、どこかで大ブレークしてくれると期待しながら読んでいこう。
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