2013年6月2日日曜日
橋本治の古事記 橋本治ファンには最高すぎる
古事記の上中下の上巻のみの現代語訳版
それも、橋本治が翻訳をしているということもあって、文章が最高に面白い。
いままで、日本の神話は断片的な知識しかなかったが、始めて神話を
きちんと最初から最後まで読みきった。
ここに日本人の精神性が詰まっているのかと思うと、もっと早くこの本に
出会っていたかった。
天地開闢から、高天の原、
イザナギとイザナミの日本列島の國造りの神話
火の神を産んだことでイザナミが死んだときの激昂
その後の黄泉の国での見てはいけないというものを見てしまったイザナギ
禊をしているなかで生まれた天照大御神、スサノオノミコト、月読命
スサノオノミコトと天照大御神のウケイ(賭け)
天の岩戸の話とここで使われた八咫の鏡 勾玉
スサノオノミコト高天の原追放と、地上での八岐の大蛇退治
草薙の剣 ここで三種の神器の由来がわかる。
オオクニヌシと因幡の白兎
オオクニヌシの黄泉の国でのスサノオノミコトの計略を尽く交わして、スセリ姫を得て帰ってくるところと、出雲大社の出来た由来
葦原の中つ国と呼ばれる地上の最初の支配者だったのにもかかわらず
不思議なオオクニヌシの国譲り神話
ニニギの天孫降臨
その孫である神武天皇の東征
こうみると、断片断片では、ぜったいに聞いたことがあるのに、一気にまとめて読んだことってほんとうになかったのがわかる。
いろんな現代語訳があるなか、文章的な面白さは、橋本治に叶う人はいないだろう。
こんなにも生き生きとした八百万の神が日本にはいたのかということ自体
けっこう新鮮だし、天照大御神の傲慢で不思議な決定とか、オオクニヌシの浮気症など
物語としても楽しい。これを児童文学として読めるレベルに落とし込んでいるのだから
素晴らしい。今年になって最高の本だと思う。
中下巻は、橋本治訳はないので、それ以外のひとで読んでみたい。
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