最強知的お助け本
この本は従来のポジティブすぎる自己啓発本を否定している。
この本は従来のポジティブすぎる自己啓発本を否定している。
科学的な心理学を引用して単純にもっと穏やかな生きやすさを語った本
単純に一言 must しなさい must not してはいけない
という風に強いタイトルは人の注目は集めるが、
人がいきているってことは人生や置かれている環境は違いすぎて
単純化して人生、人間を語れるものではない。
同じ人間でも時間や状況、天気によっても刻々と変化するので
人間とは心も完璧のものでもなく、行動も完璧ではない存在。
そんな人間を一つの原則で縛ることは辛くなるし、逆に有害だ。
こんな風に自己啓発本をぶった切っていく。
だが、自己啓発本の唯一と言っていい利点は、人生をよくしよう、変化をして良い人生を歩もうとする決意を生むところ。
その方法論があまりに間違っている。
例えば、たった一言、積極思考、ポジティブ思考すれば願いは叶う、
各人の現実はあなたの思考によって決まる。という一文がある。
人によってうまくいくのかもしれないし、うまくいかないかもしれない。
うまくいかないとき、著者は信心が足りない信者にたいしてのごとく
それはあなたの努力不足に起因する。もっとポジティブ思考になりなさいと説く。
これってずるいじゃん。自己啓発本の著者は、
自分の意見の正しさ間違いに向き合ってないじゃん。
基本的には、最初の数ページ読んで意見は出尽くしている。
それ以降はこの人の読んだ科学者の知見を援用しながら自説を展開していくのが続く。
人生、いろいろ考え方や意見があるから、一つのみの考えに拘泥しないで。
面白かった箇所は
他人に何かお願いするとき、
「無理目でも言ってみる文化」と、「相手の合意を探ってみる文化」の二つがある。
日本は相手の合意を探る文化で、英米人が日本人と話すとその煮え切らなさにイライラする。
ただその英米人も、ロシア人のなんでも「無理目でも言ってみる」という文化には厚かましいと辟易するという。
その辺の英米と他国の文化差の話は面白かった。
また
エドガーアランポーの天邪鬼を引用して
衝動的なままに行動したらそこに破滅が待っている。しかしその事実があるからこそ、その行動がすごく魅力的になる。
車の運転をしていて、いきなり対向車線にハンドルを切ったらと思うことはだれでもあるだろう。
それを魅力的に思うのは、魅力があるからこそ危険だから避けるようになるという話になる。
こういうネタはおもしろい。
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