2013年5月6日月曜日
カウンセリングの手法一覧が書かれた本
立ち直るための心理療法 読了
「心の問題の原因は過去のトラウマにある」とする考えかたを立ち直るためには有害無害
身体の変調をきたして病気になるのと同じように、身体の一部分の脳が変調きたしてなるので
精神が弱い、育て方に問題が
合ったなどという立場は取らず、ただ器官の変調としてみなす。
そして精神科の薬は、原則的にすべて対処療法である
まずは、ありうる病状を列挙する。
うつ病
物事への活き活きとした関心が失われ、非常に悲観的になる
⇒脳内物質のセロトニンの減少なのだが、
ただ、脳内物質のバランスが崩れる原因はなにかまではわかっていない。
統合失調症
通常の意味の読み取りシステムの秩序が解体した事態
薬物療法によってむかしほど酷くはなくなり再び日常生活に帰ることが出来る
ただ、以前のような難しい仕事をするのは困難で一段レベルを下げる必要がある
発病率は全人口の1%
心身症
身体に異常ははっきりとでる。
身体の病気が心理的要因で必要以上に悪くなっている場合に使われる
医療や家族に依存しがちな傾向がある。
神経症
強迫神経症
不安に対して万全をきすことによって対処しようとする方法
それを何度も異常なほどに繰り返す
この病状のひとは考えるということに対して異常に熱心であり、感情に流されたりしない。
病気というよりも、特定の戦略(理性)に頼りすぎて柔軟さを欠けていることから発生している
恐怖症
元来、死というものは不安がある。それを特定の(犬)などに振りかえることで大きな不安から
自分自身を守っている。
森田療法
些細な現象を問題として気にする
症状に過剰に注目するようになる
症状を取り去ろうとして症状と格闘する
症状を自分にレッテルを貼ってしまう
症状と格闘することが自分の人生の目的になってしまう。
退却神経症
ひきこもりのこと、問題を棚上げする
依存症
アルコール依存症や関係依存などそれなしではやっていけない状態になっている。
心の病気の発病の原因はなにか?
心になにかトラウマのようなことがおこりそれが原因で病気になったという因果論
元々は19世紀のコレラや伝染病の病原菌
を見つけ出し原因を失くすことで改善していったモデルであるが、それだけだと心の病気は
改善していかない。
むしろ
生活習慣病をモデルにしたほうがいい。
其の原因が何なのか一つの原因に特定できないし、特定した所で特別治療に役に立つ
わけでもない。こちらの考えのほうが、心の病気を考える上では有効だと思われる。
生活習慣病の場合、原因がひとつではない以上、運動したり、お酒を控えたり、食生活を
改善したりしたりしていく。医者のちからだけで治るのではなく、本人自身が生活習慣を
改善するために色々とやって見ることも必要となる。
また、完全治癒を目指さず、病との共存くらいを目的としたほうがよい結果がでる。
発病の論理はあるが、それがそのまま治療の論理に繋がっているわけではない。
原因を究明して除去すれば、またはトラウマによって引き起こされるという考えかたは
間違っている。
それによって、人々が過去に受けた傷によって心の病を発症するのだという誤解を生み、
アダルトチルドレンのような宿命論的な考えかたを生み出してしまった。
PTSDでは有名な夜と霧があるが、アントノフスキーの健康生成論という考えがある。
むしろ逆にそのなかで健康を保った人間もいた。
それらのひとを研究し、ひとはストレスを受けてもそれを回避する方法さえあれば
逆にそのストレスをバネにストレスへの抵抗力を高めることができる。
人間にはストレスへ抵抗して自らの健康を維持していくような積極的な力が存在する
ことがわかった。
にんげんにはストレスを受ければそれを受けて病気になるという単純なものではなく
跳ね返すような力強さを持っているということを忘れてはいけない。
むしろ、病気になった原因の傷を数えていくよりも、
どうやったら健康を保つための武器を作っていくかを考えていく。
あくまで主役は立ち直って生きていくあなたであり、医者であろうがカウンセラーであろうが
それは貴方が生きていくうえで得る様々なサポートのひとつにすぎないのだ。
まず、精神病(うつや統合失調症)は突然なるので、医師の介入による治療が必要になる
ただ、神経症の場合、本人がどれだけ問題にしているかによってかわってくる。
問題視していたら治療をうければ良い。
精神病は精神科で薬治療 心身症は心療内科が専門領域にあたる
神経症はカウンセラーか医者かで分かれる
依存症もカウンセラーか医者かで分かれる、またセルフヘルプグループ
精神科の腕の良し悪しの落差は他の診療科目とくらべて激しい。
腕の良い精神科医を探すにはどうしたらいいのか?
まずはユーザー情報 実際に治療を受けた人からの情報を聞く
つぎに大きな病院の精神科で外来の看護師さんたちが一番医者を身近でみているので
どのくらいの力量なのかが見極められる。
カウンセラーの世界の腕の落差はさらにひどく天と地ほどのちがいがある。
悪いカウンセリングには副作用もある。仮にパニック障害で悩んでいた所を、
トラウマをひっぱりだして、幼児期に受けたトラウマまで解決しなくてはならなくし、
余計に問題を増やしてしまったりする。
カウンセラーの見分け方としては、カウンセリングを始めて10分か15分話して
自分がどんな問題を抱えているのかが、ひとりで考えている時よりも明確になった
と実感が得られるかどうかにあたる。どこか的外れだったりすると、カウンセラーの
必須の傾聴する能力が足りていないということになる。
カウンセラーは言葉の専門家であり、ただ話をしていくことによって、其の人がもっていた
問題をうまくとぎほぐすことができることが可能になる。他者との対話によって解決の
糸口がみつかるように導いてくれるのが真のカウンセラーと呼べる。
心理療法(カウンセリング)とはどんなことをやるのか?
まずは言葉によるアプローチをとる。
フロイトの無意識と超自我(理想や道徳心で心をコントロールする機能)
超自我の検閲によって抑えられ発生した抑圧した願望を本人に気が付かせることによって
治療していく。方法としては、超自我が弱まる思いついたことをしゃべる自由連想法がある。
カール・ロジャースとクライアント中心療法
日本における主流
無条件に相手を受け入れる、そして、共感、自己一致
ロジャース派の人間観には人間の中には自然に成長していく肯定的な力がある
自己一致とは、自分の思っている感情と、心が実際に感じている感情が一致していることを言う
共感の態度をとることによって、自己不一致を起こしていた治療者が自己概念に合わないもの
に対して厳しく排除しなくてもよくなり、最後は自分自身に対して色んな隠し事をしていた人が
率直になり感情の流れに率直に身を任せられるような自然体の人間になるようにしていく。
ポストモダンセラピー
解決志向セラピー
トラウマ探しをせず、そのトラウマとの因果関係を証明することはできないのだから、
原因をあれこれ考えるのは無駄と考え、とにかくうまく行った例を試してみる。
当事者自身が過去に試してみてある程度までうまく行った方法を試してみる。
ナラティブセラピー
最終的には原因にあれこれ言及しても意味はないと考え、そのひとの言葉を客観的な
事実であるという保証はなく「物語」と考える。その人の今後の人生全体にも悪影響を
与えそうな問題の染み込んだ物語を別の物語に書き換えることを治療手段とする。
人生物語の書き換えをやっているうちに特定のストーリーのなかで見えなかったものを
色々ときがついてくるようになる。発想の転換をすることによってあたらしい可能性を見出す
自律訓練法
人間が体験しうる意識の状態には心身にプラスの影響を及ぼす意識状態がある。
トランス性意識状態 など と呼ばれている 催眠術師や坐禅を組むときに陥る状態のこと
このような状態の時、人間は心身は最も少ない心拍や少ない呼吸で酸素を始めとする
必要物質を身体のなかに行き渡らせている。とくに心身症の治療には有効
心身が波立っているような興奮した状態から穏やかな水面のような状態へと短時間で
静まっていくことを繰り返すことで心身は撹乱されてもすぐに平常に戻りやすくなる。
確実に効果はあるが、習得までに時間がかかる
トランスパーソナル心理学
私という意識をより拡大させ高次な精神的健康を保ち、古代の宗教が求めてきた
悟りや万物と一体化したような法悦体験こそが理想とする考えかた
チベット密教の瞑想や坐禅の呼吸法を取り入れている。
健康の人がやるのにはいいが、治療者がやるのは難しいと考えられている。
イメージ療法
リラクゼーションに相手を誘導してから、あなたが一番安心できる場所にいるところを
想像してください等と視覚イメージを浮かぶように誘導していく。著者が多様している
方法、肯定的なイメージ体験に誘導していくほかに、自律訓練法と同じような
非常にリラックスした意義深いイメージ体験が得られる
ボディーワーク
センサリーアウェアネス
身体からアプローチする、東洋の心身一如の発想
横になった姿勢からコレ以上ゆっくり立ち上がれないというほどゆっくり立ち上がり
また目をつむってゆっくりと横になるまでを目をつぶって身体感覚に注意をこらしながら
スローモーションのようにやるのです。その間指導者はいまどんな気持ちですか?
足の感じは先ほどまでとは変わりましたか?などと控えめな指示を行い、
一刻一刻に注意を向けさせる。
たった二時間のセッションで体験したことのない一瞬一瞬が過ぎていくのがもったいない
感覚になっている。
フェルデンクライス身体訓練法
オーセンティックムーブメント
野口整体
芸術療法
アートセラピー
人間の行動のなかには表現行為と呼ばれる一ジャンル、表現活動を通じての治療方法がある
絵を描いたり、歌をうたう、お芝居をする、踊る、詩を書くという 芸術的創造行為
クリエイティビティーを重視する
音楽療法
受動的に聴く側と能動的に弾くことで治療効果を得る
ドラマ、ダンス、エクスプレッシブセラピー
ドラマを演じてセラピーする、ダンスを踊る、いろんなものを組み合わせるセラピー
こころの病気の治りかた
精神病の場合、こころの問題だけではなく、身体の生理的な部分の異常でもあるので
ある程度適切な休息をとって、自分の自然治癒力がでてくるのを待つ。
ただ、時間がかかるので、ゆっくりと焦らずじっくり構える必要がある。
ただ、精神科の薬に対する偏見というものがある。これに影響されてしまう。
それで、飲むのを止めてせっかく良くなったところを元に戻ってしまった例が何件もある。
薬を過剰に警戒するのはやめよう。
こころの病気がどう改善していくかの流れを書く
こころの症状があれば、自分はもう社会人としてやっていけないのではないかと落ち込むという
症状のことが生きるか死ぬかの大問題になっている。
それがしばらくするとその強さが次第に弱くなっていく。頭のなかには症状のことよりも
現実的な問題が占める割合が増えていく。
そしていつしか症状のことを思い出さず、ただふとそういえば〇〇という症状に
ずいぶんと悩まされていたなが最近は少なくなったなと思い、
最後は、ある日はっと気がついてみるとそういえばもう何ヶ月も症状のことを考えていない
すっかり忘れてしまった。こうなったときに再発の危険性は随分と遠のいている。
回復の過程で共通する心構えは、薬を飲まないようにしよう、カウンセリングにいかないで
良いようにしようとするマイナスの何かが「ない」のではなく
「海外旅行にいくようにしよう、やりたいことをやろう」というように
プラスの何かが実現した状態を目標にしたほうがよい
症状を消すという目標もよくない。症状は注目をすればするほど強くなり固定化する原則がある
神経症に関しては なにかのきっかけで治ることがある
最後に
人生とは楽しい事ばかりではないけれども、じたばたしているちにいつの間にか
何とかなっているものだよと娘に教えるつもりだ。
カウンセリングの手法について、ここまで詳細に詳しく読んだことがなかったので
勉強になった。様々な宗派ややり方がある。精神病と神経症の区別をしっかりする。
そしてそのなかでカウンセリングで自分なりの答えを見つけていく。
その方法は、山のようにあるので、自分に合った方法を選べばいいと思う。
なかにはとても面白そうなものがたくさんある。
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