(岩田さんの講演会の場面)
「自分は何の為に働くのか」
「なんのために働くのか」
どういう風に働くのかではなく。
そして、そのためには強いミッション(使命感)が必要となる。
ひとは、自分の想像を超えた(心動かされるもの)に対して感動して代金を支払うのだから。
この本自体、信念の部分や、ミッションを中心にした経営という部分では
目新しさはない。
この本の売り自体、実際に企業を運営して、そのミッション経営をどう実践してきたか
が書かれている。もちろん自著なので、ノンフィクションのように失敗談は殆ど載ってない。
それを割り引いても、一応アトラス、ボディショップ(イオンフォレスト)、
スターバックスを社長として経営を取り仕切ってきた人間なのでその経験はとても豊富で、ミッションの根付かせ方は勉強になった。
アニータ・ロディック 一人の理想をもって情熱で行動していた人なのだとこの本を読んで知った。 ボディショップとの話や、アニータの社会活動家として、1991年から動物実験の反対運動に全面的に参画し、その流れは日本でも毛皮反対、化粧品の動物実験反対(http://group.shiseido.co.jp/csr/communication/canference/ 資生堂の動物実験反対) として根付いていった。
岩田さんが就任した時は、そのアニータの理念が薄れてきていたところだったらしい。
それを立て直したという功績がある。
スターバックス自体も本社自体が、コモディティ化して、普通のコーヒーショップのようになってしまった中、日本ではブランドを保っている。その一端を作ったのが、岩田さんのミッション(経営理念)になんども立ち返って会社を運営する姿だったと。
批判があるとすれば、どの会社も数年で退職して、別の会社へ移っている。
苦しい時期からよい時期へ持っていくことはしていたが、創業者のような
会社が苦境に陥った時には仕事をしていない。
そして、岩田さん自体は、社長業を引退してしまったので、
この岩田流ミッション経営が苦境時にどう生かされるのか、は検証されることは
ないというのが残念ではある。
ビジョナリーカンパニーで紹介された企業が10数年で不振に陥っているところもあるなか、このミッション経営がどうその波を超えていったのかそこが読めなかったのが物足りない。
講演で残っている言葉は、自慢話をしはじめたらひとはおしまいだと言っていて、
ああ、私、この講演で自慢話してますね、と自己反省していたところ。