2011年11月17日木曜日
塩野七生処女作 ルネサンスの女たち
塩野七生の処女作。 1969年に発行されているので、塩野七生32歳のときの作品。
処女作からして面白い。すごい。歴史物であり、それもイタリアルネサンスの芸術側ではなく
政治側を舞台にした歴史小説を書いた第一人者。
この人の本は、登場人物になり切らず、著者の天からの視点で書くが、
20世紀から振り返っているのではなく、同じルネサンスのイタリアにいる感覚にさせてくれる。
ボルジア家の一員になった気持ちにはしないが、
当時の外交官になった気分にさせてくれる。これが心地良い。
当時のイタリアの外交官というのがどういうのかも、塩野七生はイメージを与えてくれる。
各地の宮廷の動きを追い、各地の大使館で働き、諜報活動をして、本国と連絡を取り合う人物。
塩野七生がイタリアルネサンス時代の外交官として、当時の世情を報告を読んでいる感覚。
処女作で、ほぼ塩野七生のスタイルは完成されていたことに感激した。
ルネサンスの女たちでは
一章 イザベッラ・デステ 1474-1539 フェラーラ公国の姫で、マントヴァ王妃になった女性がどう国を護り、美術と芸術を愛でるサロンを作ったか、その意義の説明と一生。
二章 ルクレツィア・ボルジア 1480-1519 ボルジア家 チェーザレ・ボルジアの妹、教皇アレクサンドル六世の娘として、ボルジア家に翻弄された人生。 兄が死んでからの平穏な人生に涙。
三章 カテリーナ・スフォルツァ 1463-1509 フォルリの女傑で、人質に取られた子供を殺すと脅されて、女性器を差しながらいくらでもここから産めると言い放った。またミラノのスフォルツァ家の説明も描いてくれる。
四章 カテリーナ・コルネール 1454-1510イタリア半島ではなくキプロス王国の王妃として生きたベネツィア人と王国が併合されるまで。ベネツィアの外交戦略も含めて。
塩野七生のルネサンス本は、チェーザレ・ボルジアを中心に幸運と力量の話が盛りだくさんだ!
日本の戦国時代なみの魅力あふれる世界を提示してくれた。
チェーザレ・ボルジアがヴァレンティーノ公がふびんすぎる
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