ガラパゴスでいいじゃない 岡康道×小田嶋隆
二人の人間の弱っちいところからこの本は出発している。
アメリカでのヴィダルサスーンでの失敗や、岡が自分の事をナンパもできない女々しい人間と定義していること自体に驚いた。
めちゃめちゃカッコ悪い二人が対談している。
才能の定義は、ポーカーの手と一緒。あると見せかけるものという小田嶋隆のひねくれ度合いは
大好きだ。
岡康道の才能と好きは別で好きなものはそれは趣味です。才能は余人をもって代えがたきもの
自分に置き換えてみれば、人と接する際の笑顔は才能だが、それが好きかといえば別に好きでもないもんな。
女々しい人間はさ、やっぱり女々しいから、色々と工作するんだと思います。その工作がさ、
面白いかどうか、が作品の出来不出来に繋がるのか。女々しさをホメる文章に出会うとやっぱり
うれしくなる。
岡康道はなんでもおもしろがるし、人生をゲームだと捉えているんだ。
遊び場なんだろうなあ。だから、負けて悔しがったり、勝って喜んだり、手の込んだことをしたりしているんだなあ
不適応の人々が、きちんと世の中で食べていけたんだ。内田樹も、小田嶋隆も、岡康道も
どう負けるか。どう撤退戦を戦えるか、いまの主流はこんな感じ。
イケイケの世界は日本にはないんだな。もしくは、不適応の部分はみんな本当にうまく隠している。
自分はそれをこじらせちゃってニートになっちゃったけれど、うまく不適応を適応させた人間たちも
いて、彼らに嫉妬してしまって、適応しなかった自分の芯の強さという勘違いをおこし、
変な優越感にひたって自分を慰めちゃう。
この本はどうやって負けてきたか、それの歴史本だな。二人の同級生の。
面白いことをしようとしたら負けることが多いよ。でも面白いよ。そして、きついよ。
最近というか人生に負けてきた自分にとって応援になった本だったです
二人の対談集第三弾希望したい
2010年9月11日土曜日
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