2010年12月23日木曜日

建築設備の超入門バイブル



いまの仕事が設備屋さんになったので、
この本を読んで勉強した。

ものすごいわかりやすい本。

バルブの向きから、ダクト、給水、排水、図面記号から
ガス設備、空調設備、住宅環境のものなら、最初の入門として本当に役立ちました

便利すぎる本です。

1ページひとつの内容しか込められていないので、本当に大事な部分だけを描いてくれている

下の漫画も、著者自身が書いているので要点がしっかりと掴めてわかりやすい本。

これを踏まえて次のステップに進む。

この本読んで、設備の仕事がこんなにも楽しいもんなんだという幸福感感じました。

入門書とはかくの如しありたいものです。最強の一冊でした。

2010年12月20日月曜日

ゲームの作り方からゲーム開発者の仕事内容まで幅ひろく網羅された本



多分馬場保仁さんと10分くらいお話をさせて頂くことがあり、

とても頭が良く、すっきりと明瞭な方なんだなあ

という印象を持っていた。

本もそのとおり明瞭に書かれている。

ゲームの定義から始まり、ゲームの作り方、関わる職種、人数から作業フローまで、網羅していく。


読んで感動したところは、ゲームはソフトウェアだけれども、

製作者がゲームの場面あらゆる全てを経験することができないというところ。

何兆通りもあるパターンが再現されるから、バグがどうしても発生しちゃうという点

そして、ゲームが最終的に面白くなるのは、ブラッシュアップでバグ取りをしているときに

ゲームバランスを調整していくうちにどんどんと面白くなっていくという点。

このバグ取り作業で製作者がゲームをやる側に回ることができる。

ここで形になったゲームをやってみて、見えてくる物があるらしい。



ビデオゲームの面白さはなんだと言われれば、「答えは必ずあり、頑張ったら必ず報われる所。」

報酬がきちんと支払われることなんだ!

偶然を遊ぶということよりも、ゲームバランスを作り上げながら

製作者がたくさん仕込んだ楽しさを追求していくことがビデオゲームの楽しみ。

きちんと支払われる報酬が保証されていることがゲームをやる喜びなんだなあ。


二章ではゲーム開発に関わる職業紹介。ゲーム企画がどうやって商品化されるかの説明

ラストのブラッシュアップでバランス調整で、どのゲームも相当レベルまで面白くなるというくだり。

仕事のワークフロー等々。

細かい。。企画時の一日のスケジュールから 製作時のスケジュール 最終日までのスケジュール

本当に丁寧に書かれている。

アイディアひとつを数年単位で、ゲームまで仕上げていくゲーム開発者の根性を感じる本だった。

坊主業界はこうなっているわけか



坊主業界、お寺は経済的にはどうやって管理されているのかを現役税理士兼坊さんが示してくれる良書だった

地域にあり、所有物でオーナーであると儲かるが、

基本的には坊さんは地域のものであり、

年中無休、もしくは近場にいるのが仕事であり、

その制限分だけ税金を免除してもらっている存在てこと

あとは、ほどほどの常識と人格を求められる存在であること。

税金が安いぶんだけ、色々と制約はあるし、跡継ぎ以外が坊さんになっても困るんだともわかる。

普通にダブルワークしていたりするもんだともこれを読んで知ることができた。

こういう業界ウラ話系は、うわさ話をしているみたいでぞくっとする。

住まいを探しているのなら、お寺がサイドビジネスで展開している土地を借りると、

通常よりも税金が安いためいい物件に合いやすい所は目からウロコだった。(ケースバイケースだとしても)

お墓をきちんと決めておかないと、葬式と、その故人の宗派で異なる場合があり、

その際、二重にお布施を払う必要がでてくることとか、参考になります。本当にこの本は。

30分もあれば読めちゃう軽い本ですが。

復活した武将 立花宗茂






立花道雪の娘 誾千代の婿で  高橋紹運の長男  

大友家の重臣 のちに筑前柳河の大名になる人生。

大内家支配下 のち大友支配下に入った秋月氏の反乱が


ここまで大きな存在感を持っていたのかというのが読後の感覚だった

秋月氏 秋月氏高鍋藩に移封となり、上杉鷹山を輩出している。 




戦争の間に入る寸劇はちょっと恥ずかしくなってくるかもしれない。 

童門冬二の本はへんに説教臭いところがある。 


上巻は 関ヶ原に西軍に付き、負けて浪人生活をしているところから始まり 

そこから時間を遡って幼少期から父高橋紹運戦死、豊臣の九州征伐まで。 

鎮西一なり と秀吉から評されるところまで。 

立花宗茂の一生の流れを知れることができるので歴史小説は読んでて楽しい。


下巻は 

立花宗茂が13万石を手に入れ、 


その後、関ヶ原の戦いで敗れ、 


その後に復権するまでの軌跡を歴史小説で書いている 

関ヶ原の戦いあとの征夷大将軍になりかけの徳川時代が舞台。 

戦後のまだ緊張した状態は残っていて、加藤清正との所に居候したり 

江戸の町でお伽衆として秀忠に仕えていたことも書かれている。 

この愉快で忠義ものの集まる元大名の立花家が織り成すホームドラマになっていく。 

それが大友家の重臣だった立花家 の勇将 由布 惟信 だったり小野 鎮幸だったりするのが 

笑えましい。 

本多正信に就職斡旋してもらったり、 

忠義一徹で、城を失ったのに、 

最後にはその忠義一徹が評価されて 

関ヶ原後、領地没収から15年経って、旧領、柳川に復帰したというとても面白い経歴を経た人間。 



本当、ひとはなにがどう作用するのか、本当にわからないということを教えてくれる。 

立花宗茂の頑固さは筋金入りだ。忠義という倫理観がめちゃくちゃつよい。 

そういう固い人間というものを触れるのも当時の人達も悪くない気持ちになったんだろうなあ。



裏切り者ばかりの世の中には清涼感あふれる存在だったのかもしれないな。 

2010年12月10日金曜日

細川ガラシャ夫人 明智光秀の娘であり、細川忠興の妻であった人





三浦綾子の本  

歴史小説の本の常として、 

後年は歴史的出来事がきっちりあるので 

その時の出来事を書かなくちゃならない。 

そうすると歴史的出来事を追いかけるだけでおわってしまう 

なので、歴史小説は資料が少ない為、いろいろと想像力膨らませて作られる上巻のほうが好きだ。 

名前だけは知っている、でも、細川ガラシャ夫人のことは、詳しく知らなかったので想像以上に
楽しめた本だった。 

前半の明智光秀の次女として玉子が坂本城で暮らしているとき、明智光秀はとても人間味あふれる


人として描かれている。


戦国時代の小説や漫画によって描かれる性格が違うもんだが、


ここまで父として、夫として 素晴らしい存在感を示している明智光秀は読んだことがなかった。


後半になると、この玉子(ガラシャ)の人生は過酷の一途をたどっていく


光秀反乱で、主家信長を殺害、天王山で敗北、殺害。一族全てを皆殺しにされる。


明智光秀の娘、玉子は忠興になんとか生かされて味土野に幽閉される。


常軌を逸した嫉妬心でいっぱいでありながら、愛しすぎて、愛しすぎて堪らない細川忠興。


それと、細川家の当主として、生き残っていくために、玉子をどうするか苦しむ忠興。


大名としての忠興、夫としての忠興。二つの忠興が内面でぶつかりあっている。


忠興に信長公の姿を想像させるところは、玉子の存在が


本当に細い一本の糸しかないことを想像させてしまう。


人生を苦悩と捉えた人間?


その苦悩を与えてくれた神に感謝します という祈りの心を持った人。


戦国DQN四天王の細川三斎さまを夫に持つ以上、並大抵の精神の持ち主ではなかったか…


関ヶ原の戦いの前、石田三成の人質になるのを拒み死を望んだ夫人。


利害損得で動くのではなく、人間としての情熱で動いていた人間として描かれているので


最後の死ぬところも、哀しいのだが、ひとつの生き方だったと受容できるものだった。


さいごの辞世の句


散りぬべき


時知りてこそ


世の中の


花も花なれ


人も人なれ




人間が人間らしく生きるために命をかけたひと。