2010年11月26日金曜日

息がとまるほど 読了

息がとまるほど





昔の会社の先輩が面白いよ!と勧めてくれた本 

有楽町のイトシアに入っているTSUTAYAで購入した。 

8編の短篇集に書かれている女性たちはなにかしらの恋愛沙汰を抱えている。 

唯川恵という小説家の本は初めて読んだ。女性作家であり、女性から薦められた本だった。 

そんな機会に恵まければ自分からは手にとることは一生なかったと思う。 

銀座のホステスの話の「ささやかな誤算」「蒼ざめた夜」が好きだ。 

8短編、全て女のひとが出てきて、「綺麗さ」や「若さ」、を失いつつある側が基本的に主人公だ。 

男性が書く小説で何かを失っていく日々を書くというのは読んだことはあまりない。 

むしろ無から、なにかを得ていく方向へ、、そして得たあとに失うって物語にはなるだろう。 

女性の場合、最初から若さというものを無条件に与えられる。そして時間がたつごとに 

どんなに抗っても 

失っていくという悲しみがある。それをこれでもか、というほどに強調して書く。 

読後感は冷や汗をかく感じ。すっきりとするのではなく、もやっとしたダークサイドを覗きみた感覚。 

そういった感覚に触れたいときに、この作家の小説は良い。 

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