2014年2月10日月曜日

企業家たちの幕末維新 様々な階層の企業家がいたことを知る事


最近読んだ本のなかで一番面白かった。

幕末から1902年までの長座番付を見て、老舗企業からベンチャー企業企業まで各企業がどう繁栄衰亡していったのか。


江戸期に栄えた大阪の豪商が、どう企業改革をしていったのか。住友家、三井家、鴻池家などの栄枯盛衰をわけた人材だったり、時代の潮流を嗅ぎ分ける能力など、様々なファクターが原因になっていて、この世の摩訶不思議さをがっつりと感じさせてくれる。

読み口は新書なのでものすごくあっさり、個別の企業、人間に特化した説明なので、

時代小説、経済小説、ビジネス書のように、著者や主人公に強い思い入れは生まれない。

ビジネス書のもつ濃厚な精神性、人間性の高邁さへ追求していけば、結果としてよくなる

という感じでもない。かといってお金の上下のみの価値観でこの本は描かれてもいない。

士魂商才の大阪の政商 五代友厚 ベンチャーキャピタリストとして多くの企業を育てた岩下清周 キリスト教精神の元にできたグンゼ波多野鶴吉 藤田組 藤田伝三郎

多くの人々がそれぞれの価値観で活躍し、なんの因果か成功は収めるが、それを30年、40年と続ける企業の少ないこと。

この本よんで思う事は、

社会は、歴史に関しても、会社運営に関しても、ある程度の幻想というものをもってでしか

自分自身は感じる事ができていないのだなあ。

せめて多くの人の感じられたことを、そして商業主義からではなく出来るだけ学問の良心で作られたものを読んでいこうと感じさせてくれた本。

この本の後書きに、ベンチャー企業、老舗企業のどこでも改革をしたのは、主流派でもなければ、まったくの農民という全く関係ないところでもない  周縁部分 マージナルに位置する存在がこれらの危機にのし上がってきたという。

この本のなかで、最後にでてきた著者の匂い。そういう我のところがどうしても読んでいて面白く感じてしまう。




2014年2月6日木曜日

立石一真はものすごい執念


立石 

凄く魅力溢れる、というか、実際にいたら怖いくらいな波乱に溢れている。

会社経営もスムーズに行かず、戦後には倒産させてしまっている。

そのときでも、なんでも研究所だけはある。

そこに一真と数人の丁稚だけでもやっている。

成功すると言われる人生 59年の時に会社経営からの引退という花道もあった。

そこで折れず、技術屋に出来ないことはないという気合でズンズンと進んできた


立石家家系の身体があまり丈夫ではないし、昔なので、人は簡単になくなり子供や妻を失っていたんだなという19世紀前半を生きた人が、

19世紀後半にも生きていて、現在というものと接している。

だから、異常なほどの執念を持っている信念の強さ、

別の時代、、江戸時代の侍が現在にきたらどうなっているかなんていう、タイムトラベラーと接している感じ

明治に生まれ敗戦後と、49年倒産後90年までの亡くなるまで、

人生を二つ生きているかのように思える。

技術と精神

それだけで徒手空拳、90歳の天寿を全うされた。

明治に生まれ亡くなるのは平成という 4つの年号を生きた


世界の大転換時代を作った人の一人