2015年3月21日土曜日
ハマちゃんと、寅さんから学ぶ生き方レッスン本(石隈利紀先生)
寅さんとハマちゃんに学ぶ助け方・助けられ方の心理学―やわらかく生きるための6つのレッスン
石隈先生のお話を一度だけ聞かせてもらったことがあった。
なんと柔和な先生なのか。優しくて人柄に魅了される。石隈先生と話していると、表に出す感情はとてもフレンドリー、優しさに満ちている、かと言って清廉君子でもないので、イラッとしているところもあるけれど、その感情は訓練によって表に出さないようにしているようにも感じる。
この本で石隈先生のバックボーンを知ることが出来た。
片目の視力がほとんど無いこと(全く気が付かなかった)40歳まで仕事がなかなかうまく行かなかったこと。アメリカ留学で、自分のことを誰も知らない!という開放感の元、上手くキャリアを形成するきっかけを得たこと。やはり
旅と見知らぬ土地は人を自由にする!!
こんなに苦労されてきたのかという感嘆を覚える。筑波大学の副学長だったりするのは、そんな経験が積み重なっていたんだ。研究者かと思っていたらこの先生はカウンセラーの実践的な経験を多数積んでいた。それを研究成果として学校カウンセリングの理論にまとめた人だったんだ。
フーテンの寅さんと、釣りバカ日誌のハマちゃんを例に援助者のあり方、人のあり方を類型化した本。
寅さんは、百人いたら百通りの接し方をする。
ハマちゃんは、百人いたら一つの接し方をする。
寅さんは、悩んでいる人に共感し、自分の失敗談を話し、そしてその人が危機の時、一生懸命、自分の持っているものをなりふり構わず投入する。
寅さんは、とても心が優しいのだ。その優しさを劣等感から来ていると考えている。中学の時から他人に侮辱され、差別されながら、継母との折り合いの悪さで、テキ屋として旅人になった。
反対にハマちゃんは悩んでいる人がいたら、釣りに誘う。まずもってその人と遊ぶ。楽しむ。そして人生にはいろんな側面があること、悩みによって視野が狭くなっている状態を遊びや芸、エンタテイメントで広げて元気にしてくれる。
なにぶん、ハマちゃんはスーさんの会社のサラリーマンであり、営業マンという日常的な人でもある。
寅さんは、非日常状態の時に現れるヒーローであり、旅人として心の傷を持っている。
ハマちゃんは、日常にいる太陽のような人であり、遊びの名人で人を元気にしてくれる。
寅さんのほうがウェットで本格的にその人と共感し、向き合い、
ハマちゃんのほうが、人との距離感を適切にとり、心よりは行動で巻き込んでしまう。
そんなハマちゃん、寅さんの例を使いながら、この本で言いたいことが4章から始まる。
みんなが資源、みんなで支援ーチーム援助ー
ここからが援助者(カウンセラーを含め、会社なら同僚、上司、家族、人事、学校なら先生、家族、友達、等)は被援助者と1対1で向き合うことはしないで、チームとして向き合う方法を説明する。
ここからがこの本の本番。
援助チームの作り方は「話し合い上手」(話上手ではない!)
→苦手の人とも人間関係を良好に保てる
→チーム参加者が傷つかないように配慮できる
→自由に話しやすい雰囲気を作る
→自分とは違う考えの人の意見でもじっくりと聞ける
→反対意見の人に対しても上手に自分の意見を言える
この5つを前提としてチーム作りことを薦めている。
その為に寅さん、ハマちゃんの例を出していたのだと思う。
(ハマちゃんと寅さんでは、介入の仕方、援助の仕方は正反対の人間だ)
釣りバカ日誌、男はつらいよ の映画評論としても最高に面白いのが凄いが。
ただ、この本ではそのチームつくりの方法論までは書けなかったのだろう。
短い150Pにも満たなく行間も広すぎる本だ。
チーム援助の仕方を状況によってふたつのパターンを紹介していた。
寅さんの時のように、なりふり構わず、不器用でも一生懸命につぎ込み、持っているリソースを全てつぎ込み、そこにただいる人も、必要なら相手の事情よりも危機回避のために巻き込む。その一生懸命の後ろ姿、人の純粋さで回りの人が元気になり、それぞれの人生の岐路に立ち向かう。
ハマちゃんは、釣りを通じた友達のネットワークがあり、それぞれに役職は違えど皆にタメ口で対等な人間関係を築いていっている。そして誰とでも仲良くなれる。そのネットワークを使って、人に頼み事をして問題解決に挑み、行動に移す。
寅さんは、危機に実際に介入するのだが、
悩んでいるヒロインはその後ろ姿を見て元気になり、直接は働きかけない。
ハマちゃんは、悩みを持つ人に対して遊び(釣り)に誘って仲良くなり、
最初は直接は働きかけないのに、最後は行動することによって解決していく。
チームによって、状況によっていろんな風に変わっていくこと、その柔軟性を伝えてくれていた。
そして、副題にあるやわらかく生きるための6つのレッスンというのは、
1・人は苦戦している人を放っておけないから援助する
人は苦しい人を見ていると、やっぱり自分も苦しくなってしまう。
だからこそ人は人を助ける。だからボランティアは究極的には、利己主義なんだ。
2・だからこそ、困った時は援助をもらう
自分だけで頑張るのではなく、人からの援助をもらうことも自分に許してあげる
3・人には個性があることを認識する
その個性というのは、他人とくらべてこういうのが得意というのではなく、
自分の中で得意なこと、不得意なこと、リラックスできること、信念など
それぞれの強み弱みがあることを知っておくと、自分自身が楽になる
4・ネットワークで支え合う
人は人の中で生きていける。それが支えでもあり、喜びでもある
5・人間関係に笑いを活かす
寅さんは、自分の失敗談を話し、ハマちゃんは芸だったりダンスをして笑わす
なぜ笑わすか。苦戦している人はどうしても自分を卑下してしまう。
笑いには相手に対する自分の位置を一段さげる効果がある。
苦しんでいる人にはそれでちょうど対等になるのだ。
6・少しだけ助け上手・助けられ上手になる
基本的には助けるというのは少ししかできなく、本人が自分のペースで
少しずつ立ち直る。その際、一緒にいてくれる寅さん、エネルギーをくれるハマちゃん
そんな6つのヒントをこの本はくれた。
とても読みやすい。男はつらいよ、釣りバカ日誌、の評論としてもすごく面白い。
そして、人間関係のスクールカウンセラーの理論と実践家としての人間に対する洞察も読むことができる。
機会があったら石隈先生の講演会は行きたい。本で読むより実際に会って話を少しでもさせてもらえると、この人の柔らかさが半端無く伝わってくる。超絶忙しい人だが、なにかの機会で講演会をまた聞きに行きたい!!
2015年3月9日月曜日
おっぱいバレー 男子中学生達と、新米国語教師の青春映画
先生と生徒ものの、コメディとスポ根
中学生時代の懐かしさと、コメディとラスト30分のほろりとする面白かった良作。
頭をからっぽにして楽しめました。
舞台が昭和54年1979年 北九州市筑豊地区
その時の町の様子を再現。
どれくらいの再現具合かはわからないけれど、
確かに子供の時あんな自転車乗った!車もあんな感じだった。
本屋もそうだったな。。
エロ本の隠し場所や、秘密の集合場所、子供だからこそ、町のあちこちを知っていた。
主演女優の綾瀬はるかは、コメディだと気楽に見れて面白い!!
この綾瀬はるかは、すごい可愛い!
そのふわふわっとした感じにちょっと鼻にかかった声と、そのでっかい目と、おっぱいの大きさで目を離せなくなる。
綾瀬はるかが演じた寺嶋先生は、他の学校から転任してきた先生。
だいぶ世間的な立ち回りが下手くそだけれど
気持ちはすごく純粋なものを持っている明るい女性。
やる気の全くないガキの集まりのバレー部に対して、地区予選で1勝したらおっぱいを見せてあげるという約束をうまいことさせられてしまったという話。
自分も綾瀬はるかのおっぱいは観れるか、当然背中越しだろうが、見れるシーンはあるのか、というドキドキしながら見ていた。
色々とすったもんだの末、教師としてのあるべき姿を見つけ、
人が全力で努力する姿の大事さを訴える。中学生にとっても、大人にとっても。
男子中学生のエロさという馬鹿さに、一生懸命の汗をまぶした青春映画
八重の桜のような真面目な作品よりも、こういう感じの作品にたくさん出てほしいです。
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