2013年1月31日木曜日

踊る人間よりも踊る仕組みを作る人間になりたい



 会社が放り出したい人 一億積んでもほしい人 堀紘一


2004年当時から見た今後20年間のサラリーマン像を書いた本
 
この当時は1億円プレーヤーと500万で留まる人の両極端に収斂していくという
現在から考えるとちょっと甘い見通しで書かれている。

それにしても未来を知りたければ、過去の歴史を知らねばならぬ。

戦前には北里柴三郎がテルモの発起人だったり、
福沢諭吉が稚内に酪農に投資していたり、
渋沢栄一は官民の両方に足を突っ込みながら、
会社を次々と設立して行っていた。
戦前は業界を横断した奔流があったわかりやすい資本主義だった。

戦後、戦争に負けてアメリカきら民主主義が本格的に持ち込まれたが、
血の革命ではなかったので、そんなに大事にする土壌が生まれなかった。

またアメリカに対して反発した人々は反米としての共産主義者へなっていった。

結果として共産主義と民主主義は対立するものではなく、融合して資本主義社会を作る、

日本独自の社会主義的な社会ができた。

戦後日本では大企業という組織限定だが
個人の人生を丸抱えして、共産主義のように平等だった。

戦後の日本ではこうだったらしいという与太話的な本だが、空気感は伝わる。

戦後サラリーマンの出世ゲームはゲームが途中で変わるので相当に難しかった。
部長になるまで、仕事をバリバリこなさなくてならない。そこから一転ゲームが変わり、どれだけ他人批判されないで過ごすかで社長への出世のコースが決まる。
なぜなら大企業で役員になる為には、取締役全員の賛成が必要な為、やっかみをもたれないよう大仕事はしてはならない。また大きなミスをしてはならない。

でも取締役になる為に部長にならなくてはならないので、部長になるまで大きな仕事をしなくてはならない。
役員は取締役会で何も決めてはならない。意見を述べてはならない。

なので、実際の大企業の運営は課長クラスが現場単位で物事を決めていた。

ほんとうかなというくらい牧歌的でこの状況で発展できたのだろうか。。

真ん中あたりから具体的な話

リクルート出身は成功しやすいが、そのなかでも、営業よりも企画部隊出身が成功すると!

営業が仕事をしやすいように、人事制度を企画したり、戦略をたてたりする踊るひとではなく、社員を踊らせるひとが成功しやすい。

営業だと踊る立場だと仕組みを作ったことがないので、会社を経営する能力が未知数

ここは気に入ったところだった。実行部隊に留まるのではなく、企画部門へ行かなくては!という気持ちにさせられる。

踊るよりも、踊る舞台、装置を作る側に回ることは相当に難しいのだけれども、

会社の規模や事業内容はどれだけ小さくても踊る舞台装置を作る側に立つことが大事なんだ。
そうありたいものだな。


SONYが廃れたのは、学歴不問にしたら面接で優秀な人材とは、頭は優秀であり、努力家でありつつ一番の大学ではない若干の劣等感をもっている早慶出身ばかりになってしまって、逆に多様な人材を逆に取れなくなってしまったという合成の誤謬になっているという分析が面白い。

東大は挫折知らず、旧帝大は地域ナンバーワンの為傲慢になりやすく面接では落とされやすい。
なので、優秀でありつつも劣等感も適度にあり、人当たりも良い早慶ばかりになってしまった。

人を取る事の難しさ 先着順で採用していく企業にも多様性の確保という一理があったのだね。

昔みたいなキャリアは歩めないので今後は新しいキャリアの立て方をしていかなくてはならない。(2004年では転職は稀だった?)

まず、二十代で二回三回も転職しているようなら会社勤めは向かないから独立の道を探った方がよい
転職は希望の仕事と技を磨けるかどうかに絞った方がよい。
中途半端な技で何社も動き回ると負けが確定する

転職の際、採用側として欲しい人材


一 仮説が構築できるひと
いまの商品ではダメだ、こうした方がより売れるという仮説を立てられる人

二 その仮説を実際に検証して現場で実践できる人 営業を出来る人

三力を合わせて一生懸命力を合わせる事 

一から三までできることがベスト

普通は三ができて二、一が出来るようになってくる

☆逆に経営者がいらないひと

マイナス思考のひと
仕事は怖い、その恐怖感を克服しなくてはならないのにそれを煽るのはいない方がよい

デマを飛ばすひと

やる気のないひと

☆どうしても必要な為人材

決して嘘をつかない真実を話せるひと


目標として一億円プレーヤーになることをあげていて、その際に必要な条件を上げている

1・何か一芸に秀でている
得意技術があること

2・強烈な目的意識があること
どういきたいか、三十年計画、長期目標は立てるべきだ
そして五カ年に落とし込む

3・常に自分が原因論で生きている
他人のせいにして前に進めなくなら、全部自分のせいにしてほしい
障害の前で立ち止まっても撤退はしないでほしい

4・絶対に諦めない

5・表現力が見についている
  企画力、発想力、提案力

6・信用がある
  守るべき約束はお金と時間に集約される、この二つだけは絶対に守ること、それが信  用の基本

  そのためには、できない事はできないと気持ちを堪えて言わなくてはならない

7.真の仲間がいる
  志を同じくするモノたち


リーダーになる人に心がけてほしい事

大きな夢と中長期の夢を両方掲げて整合性をとる
夢こそ多様性の存在をつなぎ合わせる糊になる

部下はリーダーの言葉は聞かないがリーダーの行動はみている
リーダーが遊べばそれを真似する

ひとが集まることが商売繁盛の秘訣

そのためには、徳があること  人間的魅力
得があること そこに行けば何かしら得をして帰って来れる

そのふたつのトクを身についていれば人は集まってくる。


前半は、戦後日本会社組織での出世話 後半から自己啓発書へ変わっていった
今更読んで面白いかといえば微妙だが、自己啓発書特有の前向き感は得ることができる

2013年1月23日水曜日

松下幸之助 経営心得帖 読了






松下幸之助の本を読んで、このヒトは、近江商人の三方よし と 人生塞翁が馬 か。


松下電器がアメリカから乾電池の技術導入することになった時、完成品につき、2%支払われる予定だった技術料が乾電池本体だけではなく、乾電池を使った懐中電灯まで相手先が要求してきた。松下幸之助は受け入れるつもりだったが、部下が反対して、自社技術でより良いモノを作ってしまった。その反骨精神、塞翁が馬、経営の機微とは損得だけでは測れないと納得する。人間が絡む事なので、想像よりもすごいモノが出来上がったりする事もある。

1964年の新潟地震に被災して、商品はだいぶ被害はでた。しかしそのせいで過剰在庫の存在に気がつけて、全体として利益をあげることができた。

人生を振り返って、11歳で奉公にでざるえなかった。もっと勉強したかったが、奉公人として実地で商売をやれたので、商売のコツがわかりいまはとても役立ってる。勉強したいという希望は叶わなかったが、自分の視野というのは狭くなりがちなので、希望とは逆の道に幸福があることもある。



三方よしという言葉があるが、仕入先に値下げをお願いするときは、技術改善、工場の改善を相手と一緒になって考えてあげる。
自分だけの儲けだけではなく、相手の儲けも考えてあげる。

自分の携わっている仕事は人々に喜ばれる良い仕事なのだ、相手にとっても良いことだけではなく、世間にとって有益なのだ!その信念で仕事をしてきた。

他人のことだけを考えるのではない。適正な利益をもらう事は義務であり責任である。
当然、より良いサービスを作る為にも必要だ。それで自己完結するのではなく、
世間の人々にも、自分たちが儲け過ぎではなく、適正な利益を貰っていると認めてもらわなければならない。

松下幸之助の活動すべての視点に世間、自分、相手というのがある。






根本として商売とは、人々の生活を物心を豊かにしていく為にある。

物質だけではなく、精神も豊かにすることができる。そのために正しい商習慣、商道徳を持たなくてはならない。それを運用していく事も、世間の精神を豊かにする事につながっている。

仕事をしていく上では、経営者にはしっかりした社会観、事業観、人生観が打ち立てられていないと使命感が出てこない。(しっかりしたというのは、不意に質問されてもすぐに持論を述べられるくらいに血肉に化した考え)

使命感がなければ真剣にはならない。

真剣でなければ、不測の事態が続く経営というモノを運営していくことはできない。

経営が全うできなければ、社会を豊かにするために貢献できない。

なので経営者には信念が求められる!

それも根拠のないものではなく、謙虚な心持ちの上にうまれてくるものでなければならない。
人から間違いを指摘されたら、きちんと直せる位の柔軟さが大事になる。

その謙虚さがあると、全ての人が師匠となり、部下も偉く見えるようになる。

そんな敬意をもって接するから、人使いがうまいと言われる。

すべての人は偉いが、そのなかでもリーダーは求め難い。

「一人出家すれば九族天に通ずる」 くらい一人が適所に立たせることができたら、

会社全体が繁栄する。


経営者の心得として

熱心さは、どの従業員よりも社長が一番なくてはならない。

熱心に打ち込む事、余暇を使ってアマチュアとしてではなく、

仕事として本業としてやっている以上、プロである。

しかし、全身全霊打ち込んでも力が足りない事もあるかもしれない。

それでもその一心に打ち込む姿が立派なものである。

そして、強い決意をもってやり抜く事、命をかける気概をもつこと

その姿勢こそが経営者なのだ。

自分なりにこの本を読んで感じたことをまとめてみました。

2013年1月22日火曜日

大丈夫がんばってるんだから 人生はどんなに生まれの条件が悪くても作り上げることができるっていう半生


いまさらながら読了

大丈夫。がんばっているんだから

http://hinatabokko2006.main.jp/

日向ぼっこも、2013年1月時点では、しっかりと活動している。

無くなっているか、活動ペースも落ちていたらショックだったが盛況に活躍されているのが嬉しかった。

人生は壮絶。壮絶な母親の元に暮らしながら、、、児童養護施設を転々と暮らす。

生まれた環境というのは人間は選べないけれど、自分の人生を作っていっていた(いっている)。

華々しい大成功を収め、成功者の視点から屈辱の半生をこう見返してやった!

だから人生なんでもできる!というメッセージをもつような本ではなく、

普通のむしろ劣っていた人間でも、一生懸命がんばってきたらこれだけの人に囲まれて

支えを作っていきてこれて今は幸せですといえる本。

母を最後まで許せていない、今後はそういう人間なのだと自分自身から切り離してみる姿や

日向ぼっこというNPOを設立して結婚していて一番大変なときにプレッシャーに負けて自殺未遂を

犯す人間的な弱さ。 その幸せと不幸が隣り合わせで、一瞬にして人生なんて変わってしまう

感じが、リアルすぎる。生きていく上でこういう人もいるんだという勇気をちょっと貰える本