2012年3月5日月曜日
あなたが子どもだったころ 河合隼雄 読了
2007年に死去した河合隼雄の本
1991年に出版された本なのでおよそ20年前の本でした。
おおくの著名人の子供のころ、どうだったかをインタビュー形式で拾っています。
鶴見俊輔 谷川俊太郎 武満徹 井上ひさし等 もう鬼籍した方もでてきたり
生きていらしても、もう社会になにかを発表することを止めていらしたりするかたがいたりと
平成初期の文化人が多数出てきます。
いまから20年前に生きていた人々というのは 昭和初期に子供時代をすごしていた方々がおおいわけで
やはり戦争体験とその後の民主化を思春期という時代に過ごした方が多い。
思春期というのはとかく危うい時期で、すべてのことが混乱するだろうに、権威となる国家や父親まで
混乱していた時期というのは大変な時代だったのだなあと思いを馳せるしかありませんでした。
それでも、いまは大人になった子供たちの小さいころは、思春期特有の生き死にを体験し
危機を乗り越えて大きくなられたことがわかり、 社会の混乱よりも人間が大人になるほうが
強いことなんだとも感じ取ることが出来ました。
いま読み返すと、平成初期から昭和初期を振り返るというなかなかない経験ができて
新書にはない魅力があった本でした。
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