2011年10月25日火曜日
化物語(上) 大ヒット作品の一番最初のお話だ。
アニメ版化物語( ばけものがたり)を観てからだと小説版はほぼ同じで驚いた。
ぜんぜん改変されていない。
アニメは累計35万本のDVDを売り上げた深夜アニメの大傑作。
小説もいまだに続編が発売され、12月の恋物語で全12巻完結予定。
それまでに全部読み終えたいが。
化物語(上)に収録されている作品は、
化物、怪異に巻き込まれた高校3年生阿良々木暦と
ひたぎクラブ 同級生の戦場ヶ原ひたぎ
まよいマイマイ 迷子の小学5年生 八九寺真宵
するがモンキー 下級生の高校二年生 神原駿河
が各ヒロインの三作。
田舎の進学校と田舎町といった狭い空間を舞台として、
化物、怪異と遭遇してしまう阿良々木暦の高校3年生の春が舞台となってる。
すべての章で、ラストにどんでん返しとなるような事実が判明し、物語が解決していくカタルシスが
たまらない。
そして、それぞれに心理描写と怪異に襲われた理由付けもしてくれて、納得した形で読了できる。
読んでいて混乱したり共感できないような嫌なストレスを感じず、納得できる作品ばかりだった。
アニメ版はハイテンションで進んで、筋が追えなくなったりするが、
こちらは丁寧にきちんと筋を追って、神原駿河の悲しみや憎しみを共感しあいながら読めたので
アニメ版よりも心理描写はイイ。 戦闘シーンはアニメ版のほうが迫力はある。
2011年10月8日土曜日
人生即努力、努力即幸福 本多静六 私の財産告白
金儲けは理屈ではなくて、実際である。
計画ではなくて、努力である。
予算でなくて、結果である。
その秘伝はとなると、
やっぱり根本的な心構えの問題となる。
金というのは重宝なものだ。
ところが、世の中には、往々間違った考えにとらわれて
この人生に最も大切なお金を
頭から否定してかかる手合いがある。
人生の最大幸福は職業の道楽化にある。
富も、名誉も、美衣美食も
職業道楽の愉快さには比すべくもない。
略歴は、
1868年埼玉県菖蒲町に生まれる。
11歳のとき、父を亡くし苦学して19歳に東京山林学校に入学。
25歳でドイツ留学し、帰国後東京帝国大学助教授に。
以後、日比谷公園の設計改良にあたり、秩父の山林で財を成すが、
60歳の停年後、財産を寄付。1952年に死去。
本多静六の財産の貯め方は単純だ。
月給の4分の1を貯金し、ボーナスなどの臨時収入は全て貯蓄に回す。
その間、生活レベルは一段下がり、吝嗇の陰口を叩かれても耐えぬく。
月末に子供が腹を空かせていても、感情に左右されず、貯蓄する理性をもって行動する。
なぜなら貧乏であることは、苦渋であり屈辱を味わうことが多い。
また精神の独立や生活の独立を果たすために貧乏であっては自立することすら覚束ない。
よって貧乏であることに安住せず、積極的に貧乏を討伐しなくてはならない。
人間、だれでも貧乏をするのだから、貧乏をするなら若い内にしてしまえ。
虚栄心が取り除かれていく。
倹約勤勉をモットーとし、毎日著述原稿1ページを仕上げることを自らに課す。
財産を作ること、それは一生耐えざる精進向上の気魄、努力奮闘の精神であって、
自らの生活習慣の中に十分染み込ませることにある。
貧乏であることを脱するために倹約をする。
それで幸福感を得られるのだろうか。
幸福感とは、現在の生活水準で決まるのではなく、自らの生活自体が上向きになっているのか
下向きつつあるのか、方向性によって決まる。倹約し、勤勉であることは方向を上向かせることに
なるので、より幸福になれる。
そして、生活をおくるには、理性をもって感情を制御することが求められる。
そして、その理性に他者への愛嬌という衣装を着せてやることで、他人との軋轢をさけることができる。なまじっか、理性だけで推し進めると喧嘩になる。人情をもって行動することが大事となる。
金は、大事だが、なにより大事なのか職業を道楽としてできるかどうかだ。
金自体は職業道楽の粕にすぎない。仕事を通じて、金という利益を得なくても、名誉を得ることもあり、社会的地位を得ることもある。利益というものは、金だけではなく複数の考えかたがある。
総合してプラスとなるかマイナスとなるかという風に考えよ。
職業の道楽化する唯一の方法とは、勉強をすること以外にない。
努力のうえに努力を積み重ねるしかない。
自分の仕事を天職を信じ、一心不乱に取り組み、迷わず疑わず努力をし続けることにより
早晩その仕事に面白みが生まれてくる。
面白みが生まれてくればそれは苦行ではなく、立派な道楽に変わってくる。
一生懸命やる。これが平々凡々の人間が唯一、自己を大成化させるための方法である。
「汝の上位は常に空席である」 本当に勉強し、本当に実力を養うものには必ず門戸は開かれている。努力の前に閉ざされる扉は存在しない。
自ら進んで卑屈に陥らないで、萎縮しないで、いつも「おれだって」という気概をもって努力を続けていきたい。
2011年10月1日土曜日
人たらしのブラック交渉術 利の為にはけっして感情的にならない。
カジュアル心理学本
交渉術について。
自己啓発とも違うし、教科書とも違う、ちょっとしたコネタがたくさん詰まっている心理学の雑学本。
テーマは交渉術について。
そもそも交渉術てなんだ?自分の希望する状況にどうやってお互いに満足いく形で持っていけるかの合意形成をはかる術のことだ。
そのためにどういった計算ずくの行動があるのだろうか、その裏技を公開している本。
自分の意見を通すためには事前調整の根回しがどれだけ必要か?計算ずくの行動はできているか?相手が求めているものを知り、自分が欲しているものは相手に悟られず、有利な条件を提示できるか。
相手を満足させてこその人たらし交渉術だ。
そのためには先読みし、元気な挨拶、相手のイメージに合わせた商品を提示する。
イメージを想起させるためには、比喩をどれだけ使えているかで決まってくる!
相手の知っているものに例えて具体的に説明ができるか
そうすれば、スポンジに水が染みこむように、人々の心に染み渡っていく。
つまらない比喩でもないよりマシという言葉はありがたい。比喩はたくさん使っていこう。そのうちうまくなる。
交渉術は、よりマキャベリ的に動くことを勧めている。
感情的にならず、利を求めて行動する。へりくだったときがよければへりくだるし、子供のおもちゃ売り場の前のように泣き崩れたほうがよければ、泣き崩れる。 こちらが褒めても否定し、そんなことないですよ。とでも言ったら、その謙虚さが素晴らしいと 再度褒め直す 図太さ.や機転を利かせて、他人を手のひらで転がすように行動する。接待はぜったいに効果的なので、できるかぎり使う。
喧嘩を吹っ掛けられたら、絶対に見くびられないように行動せよ。見くびられたら足元をみられてしまう。
要求を通すために様々なテクニックを知り、感情的にならず少しずつ練習していくことこそがプロへの近道なのだということを教えてくれる本だった。
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