武士道は楽しかった。
日本人なら特別に難しいことを言っているわけでもないです。納得出来るかできないかはともかくこういう倫理観あるよね。
でてくる事例は、伊達政宗や忠臣蔵、江戸時代の武士たち、 あたまにすっと浮かびます。外国の本なんかより何倍もすっと入ってきます。
この本自体がひとつの物語になっていました。
武士道というものが、どういうものか、 どういうものを大事にするか、どうやって日本人の倫理観に刷り込まれていって
今後どうなるだろうか。 章と章の繋ぎが つながりを楽しみながら読むことに意味がある本です。
ラスト二章が秀逸。
武士道は封建主義という母胎を失った。
桜のように散っていくだろう。
いずれかから香りが漂っている。
どこからか漂っているかわからないが、、、
その地に昔栄えていた文明の残り香なのかもしれない。
倫理体系としての武士道は滅んでしまったけれど、土のなか、ひとのなかに染みこんで残っている
百年前の新渡戸稲造は、頑張って日本の無意識の倫理観を言葉に書き起こそうと努力されてきたのだな。
この本は、えらく情景が思い浮かべることができます。
伊達政宗が言った言葉、忠臣蔵のシーン、等々
殆どの海外の本ではないので、自分たちと地続きの倫理観をたっぷりと堪能できます。
12章の切腹シーンの描写(引用)は、ちょっとばかり鳥肌もん。
基本的に道徳書。自己啓発本も大類なら道徳本になるんだろうから、近代の日本の自己啓発書。
あまり文字に残されなかった日本封建社会が培ってきた倫理観の残滓を掻き集めてまとめ上げ、
そこに、新渡戸稲造の理想が乗っかり、武士道が陥った限界を見せて、桜のように滅んでいくさまを描いていってました。
ラストがね、FF7の最後のシーンを思い浮かびながら、しんみりしつつも、どこかで心が温まる終わり方をした本でした。
桜が咲いているこの2weekの間に読んだほうが何倍も面白い。
オススメしたい本でした。
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